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2012衆院選

地域の在り方、討論 5区5候補、飯田の合同演説会発言

2012年12月13日(木)

 衆院選長野5区の立候補者5人による合同個人演説会が11日夜、飯田市鼎文化センターで開かれた=写真。県内の青年会議所の有志らでつくる実行委員会が企画。約150人が集まった。主要テーマとなった「日本の新しいかたち」、産業振興やリニア中央新幹線開業を見据えた「地域の活性化策」、消費税増税や社会保障制度を踏まえた「暮らし」について、各候補の主張を紹介する(発言順)。


<日本の新しいかたち>


 加藤学氏(未来前)は「子どもたちに対して危険なものは無くしていく」と主張。原発事故の反省を踏まえて前に踏み出さないといけないとし、「原発は子どもたちに大きな危険を残していく。それを私たちの責任でやめていく」。福島の被災者など他者を思いやる心を持つことで「品格ある日本をつくりたい」。


 三沢好夫氏(共産新)は「憲法を暮らしに生かす政治を目指したい」。他政党の訴えに「この国を再び忌まわしい戦争に戻すような主張が垣間見られる」とし、多くの満蒙(まんもう)開拓団を送り出した伊那谷は「戦争の痛み、悲しみを乗り越え、平和憲法の下で暮らしている」と強調。現憲法に沿った政治が大切とした。


 宮下一郎氏(自民元)は「日本再出発」を主張。財政の危機的状況、原発事故、領土問題などに伴い「先が見えない状態」としながらも、高い志を掲げて進めば、「敗戦の焼け野原を越えて高度成長を成し遂げたように新しい未来に行ける」。頑張る人が報われ、「地方も元気になるような国をつくりたい」。


 花岡明久氏(民主新)は「今日より明日が良くなる社会をつくりたい」。その社会を実感するには「みなさんの不安を取り除かないといけない」とし、年金、医療、介護、子育ての改革を進めたいとした。改革するには財源の検討が必要とし、子や孫の世代のために「消費税増税は避けて通れないと思う」と述べた。


 池田幸代氏(社民新)は東日本大震災を経て「命と自然を守ることが大きな社会の価値になった」とした上で、「脱原発と格差是正、そして平和憲法9条を守って日本を戦争しない国にする」。「平和憲法」を重要な争点と位置付け、「しっかり命を守る、戦争しない国へ皆さんと歩んでいきたい」と語った。


<地域の活性化策>


 花岡氏は「若い人がこの地に残ることが一番の経済対策」とし、環境や農業、医療、介護に政策を集中させて経済の好循環をつくりたいとした。リニアについては早期開通を掲げ、他の公共交通とのアクセスが必要と述べた。


 池田氏は介護や医療などの「いのち」、農業や自然エネルギーなどの「みどり」に焦点を当てた社民党の政策に触れ、環太平洋連携協定(TPP)への参加反対を主張。「経済界が農業を犠牲に生き残ろうとしている」とした。


 加藤氏は原発関連の交付金などを地域に分配して小水力発電やバイオマス(生物資源)利用などを推進し、景気対策に生かす考えを示した。「私たちはTPPをやらない」とし、アジア市場に進出する重要性を指摘した。


 三沢氏はTPPについて「農業だけでなく、国民皆保険制度まで壊される」と指摘。脱原発後の新エネルギー利用で「雇用、産業、ものづくりが生まれる」と述べ、県南の山間部で安心して暮らせる地域づくりが第一とした。


 宮下氏は産業振興策として、農業の6次産業化、交流人口の拡大や科学技術面の研究推進などを挙げた。2027年のリニア東京―名古屋間開業までを「伊那谷発展の集中期間」と位置付け、三遠南信道の早期完成も訴えた。


<暮らし>


 宮下氏は社会保障給付の増大を持続可能な社会の課題に挙げ、「産業の育成や経済成長などで税収増や保険料収入を図ることが一番大事」と主張。社会保障体系を見直した上で「消費税など最低限の国民負担」を求めるとした。


 花岡氏は社会保障制度を維持するには、つけを将来世代に先送りせず、現役世代の負担も考慮に入れて「消費税の増税は絶対必要」と指摘。低所得者には軽減税率や給付付き税額控除で「十分配慮する形を取るべきだ」とした。


 池田氏は「格差と貧困の是正をやりたい」とし、所得の再分配が政治の役目と訴えた。社会保障と税の一体改革について「消費税は逆進性が高く、増税は反対」との立場で、介護や医療、福祉で雇用を生みたいと語った。


 加藤氏は「こんな不景気で絶対に消費税増税をしてはいけない」と強調した。もし増税が行われれば、企業の倒産で雇用は失われ、結果として社会保障費が膨むと指摘。景気対策などで税収増につなげる道筋を展望した。


 三沢氏は「消費税増税は絶対反対の立場」で、中小企業や農家への打撃を懸念。労働者の低い賃金水準などにも触れた上で、働く女性の地位向上も訴えた。「働く人を支える政治への転換」が経済振興の鍵とした。


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