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2013参院選

県区結果 有権者の視線厳しく 一票の先見据え 1党に力集中―懸念の声

2013年07月22日(月)

 県区で自民、民主両党の現職2人が議席を守った今参院選。憲法改正をはじめとする論点はいくつもあり、有権者はどんな判断を基に投票先を選択したのか。各地の投票所では、現在の経済政策への期待の高さの一方、1党に力が集中することへの懸念を口にする人も少なくなかった。子育て支援や雇用の安定を望む人もおり、有権者は幅広い視点でこれからの国政運営を見つめる。


<改憲・増税「反対意見も聞いて」>


 自民党現職の吉田博美さん(64)に投票した人からは、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待が聞かれた。製造業の会社に勤める長野市の男性(26)は最近受注が増えているといい、「自民党政権が続けばしっかり景気対策を進めてくれると考えた」。景気底上げのために環太平洋連携協定(TPP)参加も必要と考えており、「(23日に始まる交渉では)特に米国にはっきり主張してほしい」と求めた。


 2010年の前回参院選で、民主党候補に投票したという飯田市の主婦(60)は「(民主党政治は)期待外れだった」と吉田さんに投票した。安倍政権の発足後、やはり経済環境が改善していると感じるようになったという。ただ、「自民党に全面的に期待しているわけではなく、党があまり大きくなりすぎることへの不安もある。暮らしが良くなるような政策に力を入れてほしい」とも話した。


 昨年の衆院選で大勝した自民党は今回、参院でも公明党とともに勢力を伸ばして「ねじれ国会」の状態を解消した。


 だが、「自民の政策がそのまま国会を通過してしまう」と懸念した上田市の自営業女性(56)は、民主党現職の羽田雄一郎さん(45)に1票を投じ、比例代表は別の野党に投票した。民主党をはじめとする野党に国会でのチェック役を期待しているといい、「地方は東京に比べて雇用が少ない。地方が元気になる政策に力を入れてほしい」と注文した。


 保育士を目指す伊那市の女子大生(20)は、子育て政策を充実させる観点で羽田さんに投票した。政権担当時、民主党が子ども手当を導入したことを評価しているといい、「子どものことを考えた通いやすい保育施設が増え、子どもが毎日笑顔でいられる環境を整える政策を実現してほしい」と要望した。


 一方、これ以外の候補に投票した有権者からは自民党への厳しい指摘が相次いだ。


 岡谷市の会社員男性(53)は消費税増税に反対する立場から、共産党新人の唐沢千晶さん(43)に入れた。男性は「アベノミクスの恩恵を受けているのは都会の大企業だけ」と指摘。自身の給料は上がらず、景気回復の実感はないといい、地方や中小、零細企業にまで効果が行き渡る経済対策が必要と訴えた。


 みんなの党新人の角恵子さん(33)に投票した塩尻市の農業男性(35)は「『ねじれ国会』は悪いことではなく、政策のチェック機能が働いていた。民主党はあまり信用できず、若さと、チェック役となることを期待して角さんにした」。


 改憲反対、脱原発を訴えた無所属新人の神津ゆかりさん(46)に入れた松本市の無職男性(64)は「自民が勝ったとしても、原発の再稼働や憲法改正に反対の声があることをしっかり受け止め、極端な進め方はしないでほしい」と話していた。