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農事組合法人を立ち上げ集落活性化を目指す栄村の月岡集落=12日

 2011年3月12日未明に下水内郡栄村を最大震度6強の揺れが襲った県北部地震から7年となった12日、村内の月岡集落の農家でつくる「月岡農業改善組合」の保坂良徳さん(62)は「あっという間の7年だった。年を追うごとに地域への思いが強くなり、自分たちの手で集落を再生していきたい」と決意を口にした。任意団体だった組合は今月、農事組合法人として新たにスタート。村内では震災後の復旧事業や整備事業が一段落し、「復興期」から、復興後の「発展期」に入る中、同法人代表理事に就いた保坂さんは「コメ作りなどの生産基盤を固め、栄村ブランドのコメを発信していきたい」と話した。

 「新規雇用にもつながる組織にしたい」。4日夜、月岡公民館に法人の役員8人が集まり、今後の事業計画などを話し合った。法人名は農事組合法人「ゆりい」。月岡集落や近隣の箕作集落、泉平集落などは「百合居(ゆりい)地区」と呼ばれていることにちなんだ。

 月岡農業改善組合は、農作業の共同化による稲作の効率化や耕作放棄地拡大防止を目的に十数年前に発足。現在、組合員は24人で、収穫したコメをながの農協(長野市)へ出荷している。

 法人化は発足時からの目標だった。国から機械導入時などに補助を受けやすく、任意団体よりも農産物のブランド力を強めることにつながると考えていたところ、県北部地震が発生した。

 生活再建を諦めるなどして村外に転出する世帯もあり、月岡集落の世帯数は震災後、43から38に減少。集落にとどまっても農地が被災し農業を諦める農家もあった。保坂さんは「生まれ育った月岡集落で、これからもみんなが楽しく暮らしていけるような地域おこしをしなくては」と思い立ち、法人設立を呼び掛けた。

 法人は稲作に加え、野菜やキノコ栽培、山菜収穫、加工品づくりに取り組む計画だ。地域では農家の高齢化が進み、農業機械を操作するオペレーターの確保が難しくなることが予想される。12日には隣の集落の箕作農業改善組合とも話し、稲作の作業共同化を目指す方向性を確認した。法人の組合員は保坂さんも含め、60、70代の「働き手」が10人近くいる。保坂さんは「動ける今のうちに組織の基盤を整え、次の世代につないでいきたい」と考えている。

2018年3月13日掲載

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