TOP2012年03月被災地復興願い前立本尊描く 長野で信大生ら

 東日本大震災の発生から1年を前に、信大教育学部(長野市)で美術を学ぶ学生5人と、造形作家で同学部教授の木村仁さん(63)が10日、鎮魂の思いを込めて善光寺の前立本尊の絵を描いた。長野市桜枝町にある元鉄工所を活用したアトリエで作業。作品は道路に面してアトリエ前に展示し、震災への思いを新たにしていた。

 県内の代表的な信仰の対象であることから、善光寺と前立本尊を題材に選択。縦1・8メートル、横2・7メートルのベニヤ板のカンバスに阿弥陀(あみだ)如来、観音菩薩(ぼさつ)、勢至(せいし)菩薩をアクリル絵の具で描き、「東日本大震災復興祈願」と文字を添えた。休憩を挟みながら12時間ほどで完成させた。

 4年生の中村明(はる)さん(22)は「震災の発生直後から美術で被災地の力になりたいと思っていたが、何をすればいいのか分からなかった」と振り返る。悩み続け、震災を題材に作品を描くことで忘れないようにしたいと考えるように。「美術にしかできない支援の仕方を探しながら、今後も活動していきたい」と語った。

 道路に面して作品を置くと、早速立ち止まって眺める通行人も。木村さんは「学生の思いが一筆一筆に込められた作品。絵を見た人が被災地の復興を願ってくれればうれしい」と話していた。作品は1カ月ほど展示する。

2012年3月11日掲載

災害用掲示板(安否確認)