TOP2012年03月4月から食品中のセシウム新基準値に 独自測定や基準設定も
手前の丸い測定機器に検体を入れ、更新したソフトウエアを試す「Teamめとば」の学生たち=松本市

 4月から食品中の放射性セシウムの基準値が新しくなることを受け、自治体や市民独自の測定所でも、測定頻度を上げたり測定機器を高精度に整備するなど測定体制の強化が目立ってきた。国の新基準よりさらに厳しい基準を設けて独自に測定している自治体もあり、東京電力福島第1原発事故から1年が過ぎても、放射能汚染への警戒感は消えていない。

 現在の「暫定基準値」は、原発事故直後に決められた。厚生労働省は「暫定基準値でも健康への影響はないが、より食品の安全と安心を確保するためより厳しい基準にする」と説明。特に子どもの健康に配慮し「乳児用食品」の食品区分を新設。飲料水を1キログラム当たり10ベクレル、乳児用食品と牛乳を同50ベクレル、一般食品を同100ベクレルに規制する=表。

 県は4月、給食食材の測定体制を強化するため、県内4カ所の教育事務所に1台ずつ放射性物質の測定機器を導入。管内の小中学校、保育園の給食食材を測定、新基準を上回る値が測定された場合は使用しない方針だ。

 独自に給食食材を測定する市町村も増えている。県教委保健厚生課によると、学校給食を提供する83市町村教委・学校組合のうち、2月末時点で15市町村教委・学校組合が測定を外部委託、6市町教委が独自に測定機器を購入して検査を実施、今後9市町村教委・学校組合が測定を始める予定。

 2月から独自に測定を始めた上水内郡信濃町の学校給食センターは「産地の選定や県の測定頻度には限界があり、安心、安全を考え自前で測った方がいい」と話す。1キログラム当たり50ベクレルの独自基準を設け、超えた場合は使用しない。1キログラム当たり40ベクレルの独自基準がある松本市は新基準を受け、40ベクレル超の食材が出ていないことからも、さらに基準を厳しくすることを検討中だ。

 新基準に合わせて、信大理学部(松本市)の4年生7人が作る「Teamめとば」が認定NPO法人日本チェルノブイリ連帯基金(JCF、同市)の事務局で行っている「測定所」では今月下旬、より低い放射能も測定できるよう測定機器のソフトウエアなどを更新。精度はこれまでの倍になり、1時間で1キログラム当たり10ベクレル以下まで測ることができるようになった。

 持ち込まれる食品の多くが県外産。Teamめとばのメンバー高橋栄也(ひろや)さん(23)は「これまで微量の放射性セシウムは検出されており、例え新基準を下回っても、安全ですよと無責任なことは言えない」と漏らす。測定依頼者には、より厳しい基準を設けている国もあることも伝えていく。

 県環境政策課によると、県がこれまでに調べた検体のうち、昨年4月に長野市で採取した露地栽培のホウレンソウ、佐久地方で同10月下旬以降に採取・捕獲された露地栽培の原木シイタケ、野生キノコ、ニホンジカの肉の一部が新基準を超えている。政府はことし3月、これまでに1キログラム当たり50ベクレル超が検出された品目を重点的に検査するよう長野県を含む17都県に指示。県は30日、4月から6月にかけ、佐久地方のニホンジカを計10検体を測定すると発表した。

2012年3月31日掲載

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