TOP2012年06月安曇野のそば、石巻に笑顔 若手職人ら仮設住宅訪問

 安曇野市商工会に所属するそば店でつくる「『安曇野はそばの郷(さと)』振興委員会」の6店の若手職人ら11人が5日、東日本大震災被災地の宮城県石巻市の仮設住宅を訪れ、安曇野産のそば粉で打ったそばを振る舞った。仮設住宅で暮らすお年寄りらは「風味が違う」「のど越しがいい」などと喜び、若手職人たちも被災者たちの笑顔にやりがいを感じていた。

 同委員会の有賀長門(ながと)さん(41)=安曇野市=が昨年12月、一人で石巻市の仮設住宅を訪問。そばを振る舞い住民たちが喜んでくれた体験を地元に帰って話したところ、「自分も被災者の力になりたい」という仲間が集まった。

 一行は計700食分の安曇野産そば粉計60キロやつゆ、ワサビ芋などを積み、4日夜、マイクロバスで安曇野を出発。5日午前9時半、石巻市北上町の仮設住宅に着き、隣接する中学校体育館の昇降口でそばを打ち始めた。

 メンバーが「(昨年のNHK連続テレビ小説)『おひさま』の安曇野から来ました」などと声を掛けると、仮設住宅からお年寄りたちが次々とそば打ちの見学へ。初めて見る人も多く「細く切るんだねぇ」「これで何人前」などと質問した。

 地元の女性3人も盛り付けを手伝い、ネギ、ワサビのおひたし、しょうゆとみりんで甘辛く煮た地元名産の油麩(あぶらふ)を盛った「ぶっかけそば」が出来上がり。順番待ちの列は50人以上になり、ベンチで仲良く食べる人たちもいた。木村チエ子さん(81)は「昔は畑でソバを作っていた。おそばを食べたのは何年ぶりかな」とうれしそう。ゆがく前のそばを持ち帰る人もいて約250食が出た。

 午後は車で20分ほどの雄勝町の仮設住宅へ。約30食を振る舞ったが、「なるべくたくさんの人に味わってほしい」と急きょ別の仮設住宅の人にも提供した。

 事前に仲間たちで試し打ちもしたという川瀬仁さん(40)=同=は「いつもと違う環境で打つので不安だったが、こんなに喜んでもらえるとは思わず、ほっとした」。二木信昭さん(38)=同=は「何と声を掛けたらいいか分からなかったが、気さくな人が多く、交流できて良かった。これからもこの仲間で被災地のために何か続けていきたい」と話していた。

 一行は6日も石巻市小船越の仮設住宅でそばを振る舞う。

2012年6月 6日掲載

災害用掲示板(安否確認)