TOP2012年06月自作の紙芝居で被災経験語る 南三陸町で食堂を営む渡辺さん 安曇野で催し

 宮城県南三陸町で食堂を営む渡辺清吾さん(57)が9日、安曇野市を訪れ、東日本大震災での被災経験を自作の紙芝居を掲げながら語った。長野県内から被災地に出向いたボランティアとの交流をきっかけに「語る会」が実現した。

 渡辺さんは現在、同町志津川の海から50メートルほどの場所で「おおもり食堂」を営んでいる。震災前に経営していた居酒屋は津波で流されてしまったが、昨年11月に同じ場所で再開。周囲に建物は何もないが、食べる場所が欲しい―との地元の声に応えた。

 語る会には約20人が集まった。渡辺さんは「道路には亡くなった人がいっぱいいました。がれきの中からいっぱい手が出ていました」などと、震災直後の光景を自ら描いた紙芝居を見せながら語った。

 現在も、店周囲は復旧工事が進まず、午後10時に閉店して店を出ると、辺りは真っ暗。撤去されたがれきは行き場なく置かれたまま。仕事が見つかっていない人も少なくないという。

 会場には、渡辺さんが書いた「お父さんもうさがさなくていいですよちゃんと天国ついたから」といった書や絵も展示。震災以降、途方に暮れている友人らに贈っているという。この夏には、軽トラックで移動食堂を始めるつもりで「自分たちの元気を少しでも届けたい」と話した。

 渡辺さんの「語る会」は10日午後1時半から、松本市刈谷原町のヴィオ・パーク劇場でも開く。無料。

2012年6月10日掲載

災害用掲示板(安否確認)