TOP2013年03月上田の太郎山に「復興の鐘」計画 がれきの電線から制作

 上田市の太郎山(1164メートル)の登山道整備などに取り組む「太郎山賜生(しせい)会」などが、山頂に東日本大震災の被災地復興を祈る鐘楼の建設を計画している。同会は震災以降、知人の紹介で被災地の宮城県山元町をたびたび訪問し、がれきの片付けや農作業の手伝いといったボランティアを続けている。被災者から「感謝の気持ちを上田市民に伝えてほしい」と要望され、同町から譲り受けたがれきの電線を溶かして鐘を設けることにした。

 計画中の鐘楼は高さ5・5メートル=図。3本の柱を三角すい状に立て、中央に鐘をつるす。柱は太郎山の緑色凝灰岩を積み上げ、その上部に山元町から譲渡された倒壊建物の鉄骨を接ぐ。鉄骨の1本は津波の力で激しく曲がった物を使う。鐘楼の先端は鏡面仕上げのステンレス製。同会代表の永山一男さん(53)=上田市上田=は「『防災』『助け合い』『復興』の願いを3本の柱に込め、希望の光が先端に輝くようにイメージした」と言う。

 山元町では震災で600人以上が死亡。特産のイチゴのビニールハウスも大きな被害を受けた。ボランティアに参加し、被災者から感謝された会員らが「上田市民に親しまれている太郎山に、震災を記憶にとどめるためのモニュメントを造ろう」と提案。周辺住民でつくる「太郎山保存会」も協力し、上田市真田町長(おさ)の金工作家佐藤今朝善(けさよし)さん(53)に設計を依頼した。

 鐘そのもののデザインは公募する予定で、9月の完成を目指す。永山さんは「被災地から託されたたくさんの思いと防災への誓いを込め、太郎山の新たなシンボルとして愛されるようにしたい」と話す。

 建設費は600万円。賜生会の手持ち資金を充てるほか、県の地域発元気づくり支援金を申請中。24日午前9時に同市上田の山口自治会館で建設に関する説明会を開き、市民の意見を聞く。問い合わせは太郎山賜生会事務局(電話0268・21・6220)へ。

2013年3月22日掲載

災害用掲示板(安否確認)