TOP2014年03月「なみえ焼きそば」で願う復興 長野に避難、家族で居酒屋開店

 東日本大震災で被災し、東京電力福島第1原発事故で全域が避難指示区域になった福島県浪江町から、長野市へ避難した川橋昭義さん(65)が11日、家族で同町のご当地グルメ「なみえ焼きそば」を提供する居酒屋を長野市にオープンした。いつまでも悲しがらずに前向きに生きようと、震災から3年たったこの日を「新たな出発の日」と決めた。

 震災当時、川橋さん夫婦は家で立っていられないほどの揺れを感じた。自宅から5〜6キロの同原発で事故が起きたこともあり、震災前から長男哲平さん(26)や長女夫婦が住んでいた長野市に避難。何度か様子を見に戻った自宅で暮らすのは現実的でないと判断し、長野市に腰を据えることにしたという。

 その後、復興支援につながり、全国的な知名度があるなみえ焼きそばの店を出そうと決め、飲食店で働いたことがある哲平さんが修業して調理の腕を磨いた。なみえ焼きそばは太い中華麺と豚肉、モヤシを炒め、たっぷりのソースをかけるのが特徴。浪江町では半世紀ほど前から親しまれているという。

 権堂アーケード内に開店した店の名は「てびねり」で、哲平さんが店長と調理を、川橋さん夫婦が接客などを担当。11日は大勢の客でにぎわい、川橋さんが避難してきたことを知って「頑張って」と声をかける人もいた。

 哲平さんは「3月11日はこれまで悲しい日だったが、これからは家族の出発の日」、川橋さんは「これからは浪江町と長野市の懸け橋になりたい」と話していた。

2014年3月12日掲載

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