TOP2016年03月長野から移転のNPO 栄村の魅力暮らして発信
自作した「雪板」で遊ぶ参加者を眺める鑓水さん(右)と島崎さん(右から2人目)=6日、栄村

 下水内郡栄村のNPO法人「信州アウトドアプロジェクト」(略称・SOUP(スープ))が村の自然を生かした体験活動に力を入れている。最大震度6強の揺れが村を襲った2011年3月12日の県北部地震後、拠点を長野市から同村に移した。6日までの2日間、村の「さかえ倶楽部スキー場」でイベントを開き、首都圏の大学生や社会人計20人が参加した。メンバーは地震発生5年以降も、村の魅力を発信しようと思いを強くしている。

 1泊2日のイベントで、ベニヤ板を2枚張り合わせ、スノーボードに似た「雪板」を使った。参加者は5日に板に思い思いの絵を描き、6日にゲレンデに出た。靴を留めるビンディングがないのが特徴で、参加者は「スノボというよりサーフィン」と話し、雪上の活動を楽しんだ。

 参加者はSOUPメンバーの知人や交流サイト「フェイスブック」を通じて募集。友人2人と参加した千葉県市川市の大学4年深山光海(みつみ)さん(22)は「板を作るのが面白く、良い卒業旅行になった。(SOUPの活動で)また村に来られたらいい」とした。

 SOUPは07年、金沢市出身で信州大大学院を修了した島崎晋亮(しんすけ)さん(33)=栄村横倉=らが設立。キャンプや野外体験などを企画し、県北部地震の1週間ほど前には栄村で雪遊びの催しを開いた。地震後はメンバーがボランティアとして村に入り、「村のために何かしたい」と12年4月に同村に事務所を移設。雪板を使ったイベントは4年目で、参加者は年々増加。SOUP代表の島崎さんは「栄村でやりたいことを形にできている」と手応えを感じている。

 SOUP事務局長の鑓水(やりみず)愛さん(34)は神奈川県小田原市出身。地震後は住宅全戸が被災した小滝集落で道普請などを手伝った。その後、ネマガリダケ収穫といった集落行事に誘われるようになり、「つながりあって暮らしている」村民に魅力を感じた。13年4月に同村長瀬に移住し、昨年は田んぼを借りてコメづくりに挑戦した。「毎日風景が変わるほど自然が豊か」といい、暮らしを楽しむ。

 鑓水さんは、人口減少対策を盛った村の地方版総合戦略の公募委員を務める。「行政任せにせず、住民が動きやすい仕組みをつくりたい」と考えた。村の人口減にはなかなか歯止めがかからないが、「親が子どもたちに『帰って来い』と言えるような村になってほしい」と願い、SOUPの活動を進める。「ほかの観光地ではできない、住民との触れ合いがある自然体験を考えていきたい。それができなきゃ私たちがいる意味がない」

2016年3月 7日掲載

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