TOP2016年03月栄村の天然資源、未来の礎に 産業創出目指す動き続々
雪に覆われたミネラルウオーターの製造・販売拠点予定地を見る福原さん=栄村平滝

 2011年3月12日の県北部地震から5年となる下水内郡栄村で、豊富な天然資源を活用して新たな産業を起こす試みが相次いで持ち上がっている。今秋、村と村内企業が手を結んで地下水をミネラルウオーターとして売り出すほか、バイオマス(生物資源)発電を手掛ける都内の企業は、雪解け後に間伐材チップを燃料とする木質バイオマス発電所の建設に着手する。ともに働き手を村内で確保する計画で、地震後、人口減と少子高齢化がさらに進んだ栄村を活性化させる目的もある。

 ミネラルウオーターの販売は、栄村で飲料水の製造、販売事業を手掛ける「ワールドエコ」が始める。村が平滝に建設する鉄骨平屋、約1500平方メートルの工場を借りて製造拠点とする。村内を中心に、7人程度の従業員を雇用する予定だ。

 同社の福原初社長(58)=栄村横倉=によると、栄村の地下水は豊富なミネラル分が特徴。昨年3月に開業した北陸新幹線(長野経由)飯山駅周辺の栄村など9市町村を指す「信越自然郷」や「栄」を入れた商品名を検討している。

 福原さんは栄村秋山地区出身。2003年から手掛けるミネラルウオーター(12リットル入り)の製造、販売では、北関東中心に約7千の契約家庭、企業を開拓し、飲料水として販売している。

 5年前の地震では福原さん宅も半壊し、仮設住宅で約2年間暮らした。集落を挙げて農業用水路を復旧するなど、住民の連帯感が強い村に愛着を感じつつ、「産業に乏しく、村外に出る若者が後を絶たない現状をもどかしく思っていた」と言う。

 地下水の販売拡大では、新産業の育成を目指す村とも考えが一致。工場建設にもめどが付いた。福原さんは「栄村に一番必要なのは地域資源を生かした産業。安定したビジネスモデルを作り、後の世代に引き継ぎたい」と意気込んでいる。

 一方、木質バイオマス発電所の建設を計画しているのは「ZEエナジー」。間伐材チップを加熱して発生するガスを燃やして発電する仕組みだ。発電能力は500キロワットで、4人家族の換算で1千世帯程度の電力を賄える規模を目指している。担当者が22日に村内で計画を公表する。

 建設予定地は同村白鳥にある村森林組合の工場隣。地元で従業員を雇用し、年内に稼働する計画だ。同社の担当者は、「バイオマス発電は国内外から注目されている。(産業の現場を誘客に生かす)産業観光にも発展させたい」と話している。

2016年3月 8日掲載

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