全諏訪、栄冠待ってた 裏方も一丸「みんなで」歓喜

11月21日(月)

小河原監督を胴上げして39年ぶりの優勝を喜ぶ全諏訪の選手たち=20日、飯田市の県飯田合同庁舎前

 「この日を待っていた」―。20日の第60回記念県縦断駅伝競走2日目は、全諏訪が最終22区で長野市を逆転、39年ぶりの優勝を決めた。4位で惜しくもメダルを逃した昨年の悔しさをばねに、中高生世代の育成に力を入れてきた末につかんだ久々の栄冠。かつての栄光の時代を知る諏訪陸上競技協会役員らの祝福も受けながら、平均年齢23・8歳の選手たちは、支えてきた指導陣とともに待ちわびた優勝の喜びをかみしめた。
 ゴールの県飯田合同庁舎(飯田市)前。アンカー塩川雄也選手(28)が最後の直線に姿を見せると、沿道を埋めた観衆の歓声とともに「ラストー」の声が掛かった。初日に先行された長野市との差は1分2秒。塩川選手がテープを切ると、全諏訪の選手たちはストップウオッチを手にカウントダウン。「60(秒)、61、62、決まり!」の声が上がった瞬間、抱き合って歓喜の輪をつくった。
 18区の西中山宏選手(32)は、昨年まで18回出場しながら今回は腰のけがで断念した藤森義文さん(37)の手袋とアームウオーマーを着けて走った。「兄貴のような存在」と慕う藤森さんに頼み、初日のゴール後に受け取った。
 昨年は終盤の勝負どころで後続の逆転を許した。自身も秋に入って高熱で入院した上、肩も負傷したが、雪辱への強い思いで何とか間に合わせた。区間2位の走りで、最後の大逆転への流れを保った。
 「ナイスキャプテン」。主将の高橋成也選手(34)は、仲間にこう声を掛けられると、思わず目頭を押さえた。今回は補欠での登録。悔しさもあったが「この2日間はチームのことしか考えなかった。うれしくて何が何だか分からない」と声を詰まらせた。
 復活に向け、小河原義友監督(49)が掲げた目標の一つはエース区間の強化。その核に考えたのが、実業団SUBARU所属の塩川選手と、初日4区に6人抜きで勝利への流れをつくった専大の宮坂俊輔選手(20)だった。
 宮坂選手は10月に箱根駅伝の予選会で敗退したため、県縦断駅伝出場を決意。「走ることにもう一度向き合うため、地元で駅伝の魅力を再確認したかった」といい、気迫の走りでチームを元気づけた。
 胴上げで何度も宙を舞った小河原監督は1年前、2日目に逆転優勝した長野市の胴上げを、隣で悔しさを押し殺すようにじっと見つめていた。勝負をかけ、選手選考で「時には非情にも徹した」ということし。「塩川、宮坂両選手の加入は大きかったが、こつこつ、みんなで頑張ろうという気持ちが、この結果につながったことは確か」。興奮を抑えつつ、さまざまな形で助言をしてくれたコーチたちと共にチームをまとめた実感を込めた。