全諏訪「諦めない」走り 世代超え結束、栄冠つかむ

11月18日(月)

逆転の原動力になったアンカーの塩川雄也選手を胴上げして優勝を喜び合う全諏訪の選手ら=飯田市の県飯田合同庁舎前

 15チームが競った県縦断駅伝は17日、初日5位だった全(オール)諏訪が8分6秒差を覆し、劇的な逆転優勝を果たした。アンカーの塩川雄也選手(30)=SUBARU=や主将の牛山純一選手(30)=茅野市役所=ら中心選手の存在感に引っ張られ、中学生や高校、大学生らの若手も懸命にたすきをつないだ。世代を超えてチーム内に広がった「諦めない」という思いが、勝利を呼び込んだ。


 午後1時10分すぎ、塩川選手がトップで県飯田合同庁舎(飯田市)前のゴールに飛び込んだ。ただ、初日トップの上田東御小県との差いかんでは、優勝は予断を許さない。目前で連覇を逃した昨年と同じような展開に、何度も腕時計を確認する選手たち。勝利が決まった瞬間、「やった」と喜びを爆発させた。


 「助っ人」としてチームを支えた実業団の塩川選手は、県縦断駅伝に出場する理由の一つに故郷の後輩たちへの思いを挙げる。「実業団を含めた社会人選手を見て、自分もこういう走りがしたいと思ってもらえればうれしい」


 こうした声に応えるように若い世代も奮闘。20区の名取燎太選手(15)=富士見中=は、昨秋から全諏訪の練習に参加し、当初は一緒に走っても社会人に大きく離されていたが、今春ごろからペースについていけるようになったという。「力が付いてきたことが実感できる」との言葉通り、区間賞の力走を見せた。


 初日の5区を走った河西いづみ選手(17)=東海大三高=は、高校の陸上競技部内で女子の長距離選手の人数が確保できず、今月2日の全国高校駅伝県大会に出場できなかった。県縦断駅伝ではその悔しさをぶつけ、区間賞を獲得。「沿道の応援が力になった。皆で8分の差を逆転でき、諦めないことの大切さを学んだ。駅伝っていいですね」と満面の笑みで話した。


 表彰式を終えた17日夜、初日の4区で、思うような走りができなかった宮坂俊輔選手(22)=専修大=は塩川選手と練習方法などについて話を交わした。「塩川さんのように『宮坂に任せれば大丈夫』と言われる選手になりたい」と宮坂選手。先輩から後輩へ、たすきとともに経験も受け継がれていく。