上伊那一丸の勝利 地元の声援も後押し

11月17日(月)

大会新記録で9年ぶり34度目の優勝を果たした上伊那のアンカー萩原英雄選手(岡谷酸素)=16日、飯田市の県飯田合同庁舎

9年ぶりに優勝を果たし、選手らに胴上げされる上伊那の竹入増男監督=16日午後1時14分、飯田市の県飯田合同庁舎前

 昨年は過去最低の6位に甘んじたチームが、雪辱を果たした。16日の第63回県縦断駅伝で、初日3位から逆転した上伊那の優勝は2005年以来9年ぶり。最多12連覇の黄金期を経験したベテラン、低迷期を耐えた中堅、支えるスタッフ、その思いを共有した若手らが力を合わせ、「常勝上伊那」復活へのろしを上げた。【1面参照】
 「はぎさん」「ラスト」。午後1時10分すぎ、ゴールの県飯田合同庁舎(飯田市)に続く直線道路に萩原英雄主将(32)=岡谷酸素=が現れると、待ち構えた選手らが叫んだ。右人さし指を突き上げてテープを切り、かがみ込む萩原主将。その背中を「お疲れさん」「ありがとう」と皆がたたいた。
 その後、初日トップの全諏訪とのタイム差を計りながらカウントダウン。「10、9、8...」。総合優勝が決まると、萩原主将、続いて竹入増男監督(51)を「わっしょい」の声とともに胴上げ。黄金期のエースで現コーチの丸山信一さん(42)、仕事で3年ほど地元を離れて今年戻り練習で若手を引っ張った北原英一さん(33)も宙を舞う。丸山さんは驚きつつも「これからが始まりだ」と話した。
 41歳から11回連続出場で区間賞5回の守屋智春さん(55)は今回、裏方に徹した。「(選手が)上伊那に入ってから既に泣いていた。はらはらしたけれど、みな完璧です」。昨年まで20回出場した庶務の細田勇一さん(44)も選手の汗のにじんだ紫のたすきを首に掛け、「慰労会まで預かる」と万感の表情だった。
 「若手とベテランがかみ合った」と19回出場の8区上島通成さん(37)=丸真製作所。15区で区間1位の上伊那農業高校(上伊那郡南箕輪村)3年宮下竣君(17)は「前が見える位置でたすきをもらえてペースが上げられた」。萩原主将は「負けていた時代にもチームをつないできた人たちの顔を思い浮かべた。感謝の気持ちで走った」と語った。
 地元の声援も後押しした。伊那市の17・18区中継点で、南箕輪村の加藤平治さん(68)は「上伊那の1位通過は久しぶり」と喜んだ。中継点の運営を手伝った上伊那農高陸上部1年の高橋未来さん(16)は、先輩の宮下選手の活躍に「こういう場でも力を発揮できるのはすごい。いつか自分も走れたらいい」と話した。