「新上伊那時代」見えたV2 帰郷の若手、高校生の手本に

11月16日(月)

第64回県縦断駅伝で連覇を果たし、丸山信一監督を胴上げする上伊那の選手たち=15日午後1時17分、飯田市の県飯田合同庁舎前

 帰郷し就職した若手が活躍、高校生も勢いに乗り、ベテランが要所を締めた。14、15日の第64回県縦断駅伝で連覇した上伊那は若手が台頭し、「新生上伊那」を印象づけた。最多12連覇の「常勝上伊那」の伝統を受け継ぎつつ、新たな歴史を築く一歩を踏み出した。
 「はぎさん」。声援が響く県飯田合同庁舎(飯田市)前のゴールに、萩原英雄主将(33)=岡谷酸素、上伊那郡箕輪町=が汗だくになり飛び込んだ。2日に婚姻届を出したばかり。県縦断駅伝を走る姿を初めて見た妻の智香さん(28)=東京出身=は「初めてあんな真剣な顔を見た」。
 昨年も主将として優勝を経験した萩原さん。第53回の長野市以来となる連覇に「若い子たちに、自分たちで勝ったという自負が生まれたのではないか」と話した。
 若手の一人、桃沢大祐さん(22)=サン工業、上伊那郡中川村=は初日、10区で大会記録を大幅更新し区間1位。山梨学院大で箱根駅伝を3回走り、実業団入りも考えたが「地元に貢献したい」と今春帰郷した。「これからは大学で学んだ駅伝のノウハウを高校生に伝えていきたい」
 桃沢さんの母校、上伊那農業高校(上伊那郡南箕輪村)2年の上原雄大君(17)=箕輪町=と馬場隆夫君(16)=駒ケ根市=はそれぞれ桃沢さんの前後の区間で首位を守った。上原君は「箱根を走った人と一緒に走れるのは貴重な経験」。馬場君は、たすきを受ける際に桃沢さんから声を掛けられ落ち着けたという。
 東海大三高(茅野市)で昨年の全国高校駅伝を走った高梨良介さん(19)=トーハツマリーン、駒ケ根市=も今春、地元で就職。初出場ながら15日の最長21区で区間2位の好走を見せた。「自分もチームを引っ張れるようになりたい」と来年を見据えた。
 原広野(こうや)さん(23)=箕輪町=も今春、箕輪町箕輪中の教員に。仕事と練習の両立に悩みつつも16区で区間3位に入った。教え子で補欠だった3年唐沢七瀬さん(14)から「おまえの分も走ってくる」と鉢巻きを借り、腹に巻いて走った。教え子の3年南郷隼翔君(14)は20区で6位。「先輩の姿を見て後輩が上伊那チームに入ることを目標にしてくれればいい」と原さん。
 ベテラン勢も光った。20回目の出場となった上島通成さん(38)=上伊那郡辰野町=は初日8区で首位を守った。「この駅伝に懸ける思いは誰にも負けない。若い子に交じって一緒に競れるよう頑張りたい」。父元辰さん(75)の26回出場が目標だ。今年就任した丸山信一監督(43)=箕輪町=は「2日目のレースを見るとまだ弱い。これからのチーム」と話した。