女子シングルス準々決勝 得点を奪いガッツポーズする奥原希望=16日

奥原、気迫の逆転勝利 日本人対決「もっと先で戦いたかった」

201608/17

 メダルへの挑戦権を懸けた一戦は日本人対決。国際大会の対戦成績は21歳奥原が5戦全勝と圧倒していただけに、19歳山口の覚悟は決まっていた。「最初から全力で当たって砕けろ」。持ち味のスピード全開で主導権を握り、初めて奥原から1ゲームを先取した。
 この山口の気迫に奥原は触発された。「茜ちゃん(山口)の最高のパフォーマンスに勇気付けられた。私もここに来る前に、みんなにガッツあふれるプレーをすると約束していた」。第2ゲーム以降、武器の運動量を生かして山口の球を丁寧に返球。ラリー戦で山口の体力を奪うと、多彩なショットでミスを誘って一気に2ゲームを連取して逆転勝ちした。
 ともに、ジュニア時代に世界一に輝いた逸材。ただ、小学校時代から天性の攻撃センスを発揮した山口に対し、地道な練習で堅守のスタイルを築き上げた奥原は「茜ちゃんは天才。自分とは対極にいる」と語る。
 そこにはライバル心と同時に尊敬の思いもある。奥原は高校2年で全日本総合選手権を制したが、その後はけがに泣いた。入れ替わるように山口が台頭し、2013年のヨネックス・オープン・ジャパンを史上最年少16歳で制覇。以降、山口は「日本のエース」として世界を相手に孤軍奮闘した。
 その姿に奥原は「ジュニア時代は年下に負けたくないと思っていた。でも、日本の女子シングルスを引っ張っているのは茜ちゃん。尊敬の気持ちがあった」という。
 奥原はけがから復帰して3年ぶりに出場した昨年9月のヨネックス・オープン・ジャパン決勝で山口と対戦。「負けん気と粘り強さでは茜ちゃんに絶対に負けない」と山口を破って初優勝した。その勢いのまま、昨年12月のスーパーシリーズファイナル、今年3月の全英オープンを制してエースの座を奪った。
 切磋琢磨(せっさたくま)し合い、日本の女子シングルスを引っ張ってきた2人。日本勢初の4強入りを懸けた一戦で激突したのは宿命か。奥原は「(山口とは)もっと先で戦いたかったな」と寂しげに語った。