信濃毎日新聞ニュース特集

2017衆院選

自民、改選前議席維持できず

2017年10月23日(月)

 安倍晋三首相(自民党総裁)の5年近くにわたる政権運営の評価が問われた22日投開票の衆院選で、県内5小選挙区は自民党が改選前の3から2に議席を減らし、民進党出身の候補が3議席を得た。全国的には自民が勝利したものの、県内の有権者は「安倍1強体制」に一定のブレーキをかけたと言える。
 比例代表北陸信越ブロック(定数11)の県内党派別得票では、小選挙区に候補を擁立しなかった立憲民主党が希望の党を上回る22万票余を獲得。民進出身のリベラル派でつくる立憲民主は「9条改悪反対」を掲げ、投票の際に「憲法改正の是非」を重視する層の受け皿となった。改憲に前のめりな安倍首相と、改憲論議に賛同する希望の小池百合子代表の双方に、県内有権者は厳しい判断を下した格好だ。
 自民は比例復活を含め改選前の5議席を維持できなかった。昨夏の参院選県区で党公認現職が野党統一候補の民進新人に敗れ、党勢を立て直せないまま選挙戦に突入したことなどが響いた。県連選対総括本部長の吉田博美氏(参院県区)は22日夜、「候補者だけの責任ではない。日頃の活動が足りなかったかどうか、党、県連として問題点を総括したい」と述べた。
 対する野党は、民進、共産、社民の各党県組織や市民団体が模索した共闘態勢が今衆院選では築けなかった。民進出身候補のうち4人が、安全保障法制や改憲論議を容認する希望の党公認で出馬したことに共産などが反発。共闘の枠組み崩壊は結果的に自民候補を利する形になった。
 一方で、選挙戦では小池代表や党方針と異なる主張をする希望の候補が目立った。有権者にとって分かりにくかった面は否めない。今後も続くとみられる野党再編への向き合い方を含め、それぞれの当選者が有権者に説明責任を果たすべきだ。民進県連の羽田雄一郎代表(参院県区)は22日夜、「今後、しっかりと同志と話をしていかなければならない」とした。
 共産は「野党と市民の共闘」を理由に3小選挙区で候補擁立を取り下げたが、存在感を発揮できなかった。日本維新の会、社民も議席獲得には及ばなかった。
 解散時に野党第1党だった民進党が分裂する混乱で幕を開けた衆院選。野党の今後が見通せない中、政治情勢は混沌(こんとん)とした状態が続く。
 信濃毎日新聞が県内小選挙区の各候補に「憲法観」を尋ねたアンケートのうち、当選した5人の回答を改めて見ると、安倍政権下で改憲論議を進めることの賛否は拮抗(きっこう)している。与党を含め、1票を投じた候補や政党の立ち居振る舞いに、有権者一人一人が目を凝らし続けたい。


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