信濃毎日新聞ニュース特集

2017衆院選

比例議席獲得へ攻防 新たな構図、戦略に腐心

2017年10月15日(日)

 衆院選比例代表北陸信越ブロック(長野、新潟、富山、石川、福井の5県)は11議席の獲得を巡り、計56人(小選挙区との重複含む)の候補を擁立した7政党と諸派1団体が攻防を繰り広げている。小選挙区での戦いを通じ底上げを図ったり、比例重視で無党派層を取り込もうと党幹部を相次いで投入したりと各党の戦略には違いも浮かび上がる。2014年前回選と比べると、野党再編で公示直前に二つの新党が生まれ、比例も新たな構図となった。22日の投開票に向け、それぞれが「党名」のアピールに腐心している。
 自民党は14年前回選で県内5小選挙区のうち1、3区の前職2人が復活当選。2人は12年衆院選に続く復活当選で、小選挙区での勝利を目指して背水の陣で臨む。党県連幹部は「まずは小選挙区での戦いを重視したい」とする。
 比例単独で参院県区元職の新人若林健太氏(53)=長野市=を名簿21位に登載。昨夏の参院選県区で落選したものの約50万票を得た知名度を生かし、県内全域で比例票の上積みを狙う。ただ、5小選挙区で自民候補を推薦する公明党が県内を地盤とする新人を擁立。「比例は公明党」と積極的に呼び掛ける陣営もあり、一枚岩とは言い難い。
 希望の党は、民進党出身の県内小選挙区の4人を含む重複10人を同列1位に登載。同ブロックの元衆院議員で医師の宮沢隆仁氏(62)=長野市出身、埼玉県越谷市=が比例単独で11位に登載された。
 前回選で県内の旧民主票は自民に並ぶ24万票余を獲得。ただ有権者数が最多の1区は前職が無所属で出馬し、新潟県内の小選挙区には希望の公認候補がいない。リベラル層を中心に一定数が立憲民主党などに流れるとみて、民進長野県連の羽田雄一郎代表(参院県区)は「民進支持者を固めるのはもちろん、安倍内閣打倒を訴え、無党派層などにも浸透させたい」と話す。
 比例単独候補2人を擁立した公明党は長野市区選出の元県議で新人の太田昌孝氏(56)=長野市=を名簿1位に登載した。引退する漆原良夫・党中央幹事会会長の後継として1議席の維持が最重要課題。太田氏は漆原氏とセットでブロック内をくまなく回り、知名度の向上を図っている。
 太田氏が当選すれば県組織出身の初の衆院議員が誕生。県本部の近藤晴彦幹事長は「ブロック全体で前回選(29万3千票余)以上」を目指すとする。太田氏は「選挙区は自民、比例は公明」と訴えるが、公明の支持母体、創価学会の県内幹部には若林氏との競合を不安視する声もある。
 共産党は2議席獲得を掲げる。「野党と市民の共闘」で県内3小選挙区の擁立を取り下げ、1区から比例に回った県委員会書記長の新人長瀬由希子氏(49)=長野市=を3位に登載。小選挙区の擁立抑制の影響が指摘されるが、「共闘が実現した選挙区で、関係者が『比例は共産党に』と推してくれている。ぶれない方針がプラスになっている」(党県委員会幹部)とする。
 長瀬氏が県内各地で遊説を重ね、党中央委員会幹部も相次いで県内入りしている。鮎沢聡県委員長は「安保法制廃止と改憲反対を明確に打ち出している党として存在感を高めていく」と力を込める。
 政党の中で唯一、長野県に県組織がない立憲民主党は、新潟1区の前職1人が名簿1位で重複立候補し、いずれも新人の比例単独候補2人を擁立。新人陣営によると、リベラル支持層の掘り起こしを狙い、選挙カーを走らせているという。県内の小選挙区では候補を擁立していないものの、党選対本部の担当者は「長野県のリベラル層は潜在的に多い」とみている。
 日本維新の会は現有1議席の確保を目指す。新人が小選挙区と重複立候補する1、2区を中心に比例用の選挙カーで支持を呼び掛けており、党県総支部の日詰祐輔事務局長は「小選挙区との相乗効果を狙う」とする。公示後は党幹部がほぼ連日、県内入りし、無党派層の取り込みを図る。
 前身の「おおさか維新の会」が昨夏の参院選で得た県内比例代表票は約4万5千票。今回は大幅な上積みを目標に掲げる。一方、ブロック全体の候補が県内の2人を含めて3人にとどまることが懸念材料。候補不在の小選挙区で、どこまで党の存在感をアピールできるかが焦点になる。
 社民党は、県内では12年の前々回選以来となる小選挙区候補が2区で重複立候補。他の選挙区では共産や無所属候補を支援してすみ分けた。唯一、協力関係がなかった3区でも共産新人の自主支援を決定。社民県連幹部は「全小選挙区で野党と市民の固まりができた。各区の活動を比例得票につなげる」とする。
 ブロックの議席は03年に失い、獲得には大幅な上積みが必要。県内は前回選の2倍余の6万票を目標とする。竹内久幸代表は「比例単独候補で臨んだ前回選より小選挙区で動きやすい」と説明。平和、安全保障で主張が重なる立憲民主の得票も注視する。
 政治団体の幸福実現党は、比例単独の新人3人を登載した。


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