表彰式

びっくり!不思議?それがニュースだ!!

「第13回長野県こども新聞コンクール」(信濃毎日新聞社、信濃毎日新聞販売店会主催)が、県内の小学生を対象に行われました。応募は過去最多の1万2619点。6地区ごとの審査会で選ばれた135点が最終審査に進み、優秀賞15点、奨励賞30点が決まりました。新聞作りは、びっくりしたことや不思議に思ったことが出発点。大人に聞いたり、実験したりして調べていくパワーが伝わってきます。つい読み進めてしまう情報あり。見出しや記事の置き方の工夫も見てください。


Autismパズル新聞 伊那市・西春近南小6年 宮下 夏実(なつみ)さん
地附山新聞

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自閉症のこと知って

「自閉症(Autism)の兄がパズルが得意なことから、題を付けました。近所の人たちなどにアンケートをして、自閉症が生まれつきの障害であることを知らない人が多いことに驚きました。自閉症の人は健常者にはできないことができたりします。知的障害者が参加する競技フロアホッケーは、楽しみながら障害者と接する機会になり、写真を付けて紹介しました。障害の良いところも新聞を通して知ってほしいです」

先生のひとこと

アンケートや関係者への取材を取り入れ、自閉症への正しい理解を願う思いを伝えています。

これがきっかけ

宮下夏実さんが「Autismパズル新聞」を作るきっかけになったのは、自閉症の妹と家族を撮影し、ドキュメンタリー映画「ちづる」を作った赤崎正和さんが登場する記事(信濃毎日新聞6月8日付朝刊くらし面)です。妹への思い、映画を作る中で気づいたこと―。赤崎さんが長野市に来て話した内容などが書かれています。

どうする!?シカの食害新聞長野市・裾花小5年 柿沢 亮佑(りょうすけ)さん
地附山新聞

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被害大きくて驚いた

「シカの食害があることは知っていましたが、5月に家の庭にシカが入ってきたことで身近に感じ、調べてみました。最初はどこに聞けばいいのか分からず戸惑いましたが、猟友会や県などに取材することができました。高山植物が食べられたり、農業被害額が5億円以上あったり、思ったよりも被害が大きくて驚きました。絶滅はしてほしくないけど、自分たちの食べ物を取られないくらいにしっかり減らすべきだと思います」

先生のひとこと

シカの食害に関心をもち、関係する新聞記事を集め、関係機関に取材をしてまとめています。

これがきっかけ

柿沢亮佑さんは「どうする!?シカの食害新聞」を作るきっかけになった新聞記事に、信濃毎日新聞2月6日付朝刊社会面に載った「北ア シカ対策本腰」の見出しの記事をはじめ、ニホンジカに関するたくさんの記事を挙げました。

優秀賞 1,2年の部

いとこんち新聞下諏訪町・下諏訪南小2年 
野明 花菜(のあけ・はな)さん
昔の生活新聞

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家の人や原村を紹介

「原村のいとこの家に行くのがいつも楽しいので、家の人たちや原村のことを新聞にしようと思いました。大工やカーネーション作りの仕事を見せてくれたおじいちゃん、おばあちゃん、水泳やスケートの話をしてくれたいとこが、完成した新聞を見て喜んでくれたのでうれしかったです。村のセロリ農家を取材したときは朝の5時に起きて大変でしたが、農家さんは2時からとっくに作業していると聞いて驚きました」

先生のひとこと

取材を通して知った原村のすばらしさを、写真を効果的に配置して伝えています。

原っぱオリンピックしんぶん高森町・高森北小2年 
松下 陽音(まつした・はるね)さん
す(わ)ゴイ新聞

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虫がとぶ距離を調査

「夏のロンドンオリンピックにちなんで、家族と近所で捕まえた虫がとぶ距離を調べました。バッタやキリギリスなどの幼虫7匹、イナゴやコオロギなどの成虫8匹を調べました。成虫部門はトノサマバッタが8・5メートルとんで金メダル。飛距離はグラフにして見やすくしました。専門家の人に聞いたら、コオロギは落ち葉の下で暮らすのであまりとばないことも分かりました。もっとたくさんのバッタを調べたいです」

先生のひとこと

実況アナウンサー調の文章表現が、バッタなどのジャンプの様子を引き立てています。

優秀賞 3,4年の部

アルプスひまわりロード新聞松川町・松川北小4年 
片桐 結衣(かたぎり・ゆい)さん
長野電鉄屋代線新聞

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植えた人に感想聞く

「夏休みにお母さんに連れられて見に行ったのがきっかけで、小学校の近くにあるヒマワリ畑について調べることにしました。松川町農村観光交流センター『みらい』に行って、ヒマワリを植えた人たちにどのようにして植えたのかインタビューしたり、ヒマワリ畑を訪れた人たちに感想を聞いたりしました。インタビューしたことを1枚の新聞にまとめるのはとても大変でしたが、受賞できて良かったです」

先生のひとこと

1万本のヒマワリの美しさやすばらしさを、明るい配色で効果的に伝えています。


あつくなる新聞高森町・高森南小3年 
椚谷 元(くぬぎたに・はる)さん
山の仕事新聞

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太陽熱や摩擦調べる

「去年の夏、お父さんと天竜川で遊んだ時、はだしで河原を歩いていると熱い石と冷たい石があるのに気付きました。調べてみると、黒い石が熱くて白い石は冷たかった。黒い色が熱を吸収しやすいことが分かりました。新聞ではこうした太陽熱のほか、摩擦や電気などで『あつくなる』ものをまとめました。摩擦熱で火をおこす道具も作り、熱を出す家電も電気屋さんに質問して調べました。頑張ったので受賞はうれしいです」

先生のひとこと

熱くなるものを実際に調べて記事にするという題材がユニークで、知的な好奇心を引き出しています。

荒神山いきもの新聞辰野町・辰野西小4年 
大津 堅悟(おおつ・けんご)さん
軽井沢地産地消新聞

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ミヤマシジミを観察

「1年前から、辰野町荒神山公園の生き物調査などをしている『辰野いきものネットワーク』に参加しています。環境省のレッドリストで絶滅危惧種のチョウ『ミヤマシジミ』を観察したり、食草のコマツナギの分布を調べたりして、図にまとめました。幼虫は緑、成虫は薄紫で、きれいでした。コマツナギが草刈りなどで少なくなり、ミヤマシジミが減ってしまったと知りました。ミヤマシジミがいなくなってほしくないです」

先生のひとこと

「絶滅危惧種を救え!」という見出しが、荒神山のミヤマシジミの記事へ引き付けています。


中条熊物語長野市・中条小4年 
和田 隼也(わだ・じゅんや)さん
ポイ捨てゴミは減ったのか?新聞

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こんなに出没驚いた

「中条には熊がたくさんいるので、友達と一緒に取材しました。長野市中条支所から熊出没データの一覧表をもらい、一つずつ分類して地図と月別のグラフにしました。地図にしてみて『こんなに出ていたんだ』とびっくりしました。9月に一番多く出ることも分かりました。熊に会ったときの対処法も調べたので、たくさんの人がこの新聞を読んで、役立ててほしいです。家で熊の肉を食べてみたけれど、においが強かったです」

先生のひとこと

猟師や役所職員への取材を生かし、熊の捕らえ方や、熊の目撃場所を分かりやすく伝えています。

マンホールをさがせ新聞上田市・北小4年 
徳田 龍樹(とくだ・りゅうき)さん
ぼくの町のスゴイ人新聞

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いろんな柄があった

「上田市真田地域へ遊びに行ったら、道路にあるマンホールのふたが真田十勇士の柄でした。市内の他の場所にはどんな柄があるのか知りたくなって取材しました。鹿教湯温泉はシカ、菅平高原はラグビー選手など、いろんなデザインがあることが分かりました。道がカーブしている所は管が詰まりやすいので、マンホールが目立ちました。いろんな柄があるふたを観光にも活用して、上田市にたくさんの人が来てほしいです」

先生のひとこと

絵柄がある秘密や、何種類ものマンホールの様子を調べていて、新聞を作るまでの努力が伝わってきます。


優秀賞 5,6年の部

復活お囃子新聞飯田市・浜井場小5年 
藤木 藍奈(ふじき・あいな)さん
わたしのまちの納豆屋さん新聞

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地区の歴史を学べた

「地元の橋北地区でかつて行われていたお囃子(はやし)を復活させようと、公民館で開かれている笛や太鼓の練習に参加したのが新聞作りのきっかけです。笛や太鼓をやってみると、とても面白かったのでお囃子の歴史や太鼓のたたき方などについて橋北地区伝統文化保存継承プロジェクトの牧野仁志代表や公民館の人に取材しました。笛や太鼓を通じて地区の歴史を学ぶことができて良かったです。読んだ人にも知ってもらいたいです」

先生のひとこと

取材した内容に、自分が経験した内容を加え、お囃子復活への期待感を高めています。

伝統の技と美しさ 組子工芸新聞飯田市・鼎小5年 
菊原 駿希(きくはら・しゅんき)さん
出版社に潜入新聞

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作業体験面白く、興味

「6月の参観日に親子で木を組んでコースターを作る組子工芸体験をし、その作業がとても面白かったので調べてみようと思いました。参観日に教えてくれた組子職人の塩沢正信さんの家に取材に行き、組子工芸の歴史や仕事の内容などを聞かせてもらいました。コースター作りの工程の説明では、見る人が分かりやすいように写真を順番に貼りました。新聞を読んだ人に組子工芸のことを知ってもらいたいと思います」

先生のひとこと

組子職人の思いや組子のすばらしさをまとめ、将来への思いをふくらませている様子が伝わってきます。

夏を乗り切ろう新聞伊那市・西春近北小6年 
伊藤 怜未(いとう・れいみ)さん
みんなで守ろう!大切な命

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夏野菜の料理作った

「ことしの夏がとても暑く、テレビで夏野菜が特集されていたのでテーマにしました。学校の栄養士の先生に聞いて、夏野菜には体を冷やす効果があることを教えてもらい、驚きました。夏野菜はトマトやトウモロコシが好きですが、苦いゴーヤは苦手です。先生から教えてもらったり、自分で調べたりした夏野菜の料理をお母さんと一緒に作り、写真を載せました。熱中症のことも勉強したので、夏を乗り切れました」

先生のひとこと

見出しに合わせた横書きが読みやすさを生み、暑さ対策情報を分かりやすく伝えています。


八島ケ原一万二千年新聞長和町・和田小5年 
小路 日和(しょうじ・ひより)さん
戦争時代の小学校新聞

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自然のすごさ感じた

「家から近い山の上に、広い草原があるのを不思議に思い、その霧ケ峰の八島ケ原湿原について調べました。湿原では1万2千年前から、1年に1ミリずつ土が積もっていると分かりました。僕は10年しか生きていないので、1万2千年というものすごく長い時間をかけて湿原をつくってきた自然の力はすごいなと感じました。新聞は色鉛筆で背景を塗ったり、写真を入れたりして見やすく仕上げることができました」

先生のひとこと

記事の内容を伝えやすくするために、八島ケ原(やしまがはら)の成り立ちを図で表す工夫をしています。

頑張れ!荒浜小新聞上田市・塩川小6年 
荻原 琳(おぎわら・りん)さん
太陽光新聞

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被災地のいま伝える

「塩川(しおかわ)小は昨年から、東日本大震災で被災した仙台市の荒浜小に千羽鶴などを贈る活動をしてきました。最近は被災地の報道が減って、気になっていたので、自分で見たことを伝えようと思い、両親に頼んで仙台市へ連れて行ってもらいました。市街地はきれいだけれど、海の方へ行くと景色は一変。家は跡形もありませんでした。荒浜小の校長先生にも取材することができ、現地の写真を多く使ってまとめてみました」

先生のひとこと

被災地の学校の様子を取材し、児童会活動で支援したいという思いを深めています。

守ろう在来植物新聞長野市・徳間小6年 
北村 早哉夏(きたむら・さやか)さん
おシャシャのシャン!新聞

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地域の川を守りたい

「私の家のそばには浅川が流れています。夏休みが始まるころ、緑の葉が張り付くように川を覆っていて『これは何だ』とびっくり。近くの公民館で開かれた駆除植物の学習会に参加して、それが農作物の肥料を横取りし、在来植物を育ちにくくもしてしまう外来植物だと知りました。生命力が強い。地域の川を守りたくて新聞にしました。本やインターネットにはたくさん情報があり、それをまとめる作業が大変でした」

先生のひとこと

小見出しと写真・図を効果的に使い、色使いと割り付けを工夫し、読みやすくしています。

【奨励賞の作品】【入選作品一覧】

審査を終えて 夢への思い強めるきっかけに

県教育委員会教学指導課指導主事 野村 修治さん

 本年度は、これまでで一番多い1万2619点の応募があり、新聞作りに関心をもち、社会に目を向ける子どもたちが増えていることを感じます。
 今回、審査をさせていただいて、新聞作りに対する一生懸命さはもちろん、自分が伝えたいことをまとめる楽しさが紙面から伝わってきました。また、伝えたいことのもととなる取材への粘り強さや、読み手を引きつける見出しの工夫、伝わりやすい記事にするための順序や配置の構成力などを感じました。
 作品の中に、自分が将来就きたい職業について、現場に出掛けて取材したり、実際に体験したりして、膨らませた夢をまとめたものがありました。新聞作りが、自分の夢を確かめたり、夢の実現に向けた思いを強くしたりするきっかけにもなっています。
 新聞を作ることは、目的に合わせて必要なことを調べることで、話す力や聞く力を伸ばします。また、伝えたい内容に合った文章を作ることで、書く力も伸ばします。それとともに、夢を抱いたり、憧れを感じたりするといった、その子らしい感性も育んでいきます。
 新聞作りを通して、自分をより一層伸ばしていきましょう。