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水田の復旧工事が終わり、3年ぶりに稲作を再開した下川さん=18日、白馬村神城

 県北部で2014年11月に最大震度6弱を観測した地震で被災した北安曇郡白馬村で、村が被害を確認した農地191カ所(計約26ヘクタール)の復旧が今月上旬までに全て終わった。同村神城飯田の下川重治さん(68)は18日、3年ぶりの田植えに向けて代かき。「やっと日常に戻れた気がする」と述べ、ほっとした表情を浮かべた。

 同村では東側の地域にある水田で被害が続出。地震後間もなく雪が降ったため、農地の被害の全容が明らかになったのは15年春になってからだった。国の補助を受けるための査定を経て、復旧工事が本格化したのは16年度。同年春に作付けできたのは全体の3割にとどまった。

 下川さんは自宅近くに所有する水田2カ所で稲作を長年続けてきた。地震で一つの田には亀裂が入り、もう一つの田は土手から水が漏れるようになってしまった。復旧工事は昨年7月ごろまでかかり、田植えは2年続けて断念した。

 下川さんは会社勤めの傍ら、妻の由利子さん(61)と老舗の食堂を村内で営む。人気メニューのソースカツ丼には自家米を使っていたが、備蓄が尽きた昨年は親戚や知人から米を購入した。由利子さんは「やっぱり自分のところのお米を使いたい」と今季の豊作に期待する。

 「手間がかかる仕事で続けるのは楽じゃない」と下川さん。ただ、農地の復旧工事中は「手持ちぶさたな感じがして、また作りたいと思っていた」。由利子さんも「大変は大変だけど、再開できる喜びが大きい」と口をそろえる。

 隣の同郡小谷村でも、地震で被害を受けた農地16カ所(計約2ヘクタール)の復旧が完了した。山腹に引かれた農業用水路の再建工事が行われている伊折集落を除き、全村で稲作を再開できる見通しという。白馬、小谷両村の農家に稲の苗を出荷する大北農協白馬育苗センター(白馬村)によると、今季の田植えのピークは今週末の20、21日ごろになる。

2017年5月19日掲載

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