TOP2015年11月揺れに強い伝統工法 長野でセミナー「技を後世に」

 昨年11月に県北部で起きた地震で被害を受けた白馬村や小谷村の建築について学ぶセミナーが24日夜、長野市内であった=写真。両村を調査した建築家長谷川順一さん(54)=新潟市=が揺れに強い木造建築の仕組みや、こうした建築物を建造、修理する職人の技を後世につなぐ大切さを話した。

 長谷川さんは両村の被災住宅などを写真で紹介。伝統工法の木造建築は、揺れを吸収する「土壁」、かごのように木を組み合わせた「木組み」、礎石の上に柱を立てる「石場立て」が作用すると説明。耐震、制震、免震の3要素を巧みに取り込み、想定外の揺れにも対応するとした。

 長谷川さんによると、両村で調査した計約120件の住宅や土蔵は、築100年を超すにもかかわらず倒壊を免れたが、地域の高齢化や費用の問題で多くが解体された。長谷川さんは、建築士が地震直後に判断する「応急危険度判定」や、自治体が発行する「罹災(りさい)証明書」のみが重要視され、建築士が復旧の要否を決める「被災度区分判定」が十分に運用されていない―と指摘した。

 長谷川さんは「木造建築を残さなければ職人も育たない」と指摘。「大工に任せるだけでなく、住民自らが助け合って直す考え方も求められている」とした。セミナーはNPO法人「信州伝統的建造物保存技術研究会」(伊那市)が主催した。

2015年11月26日掲載