TOP2015年12月地震被災者、相談気軽に 鬼無里の自治協が「きなサロン」
「きなサロン」に訪れた住民(右)の相談に応じる樋口さん(左から2人目)

 県北部を震源とする昨年11月の地震で住宅の全半壊12棟、一部損壊217棟と大きな被害が出た長野市鬼無里地区で、住民自治協議会(自治協)が住民の生活全般の相談に応じる「きなサロン」を週1回、開いている。地震前から構想はあったが、「気軽に相談できる場が欲しい」との住民の声を受けて開設。地震被災者の相談の受け皿にもなっている。

 サロンは、市鬼無里支所の正面玄関を入ってすぐ左側の市民ホール内にあり、9月に開設した。毎週木曜日に、同自治協のコーディネーター樋口綾さん(26)ら職員2人が話を聞いたり、相談に乗ったりする。10日も、お年寄りらがサロンを訪れ、健康状態などについて話した。

 サロンは樋口さんが発案。旧鬼無里村役場には役場に職員が約50人(診療所、保育所など除く)いたが、2005年に長野市へ合併。現在、同支所にいる市職員は15人で、そのうち村職員だった人は5人。樋口さんは「地区の関係機関と連携して、住民を支える仕組みをつくりたい」と考えていたという。

 サロンには1日10人ほどが訪れるといい、受けた相談は必要に応じて専門窓口へつなぐ。市から送られてきた書類の内容が分からないとの相談には、支所の市職員を呼んで対応したこともあった。樋口さんに声を掛けられてサロンに寄った和田豊正さん(82)は「こうやって気軽に寄ることのできる場所があることはいい」と歓迎する。

 地震で住宅の壁が落ちるなどしたため、夫、長男と3人で公営住宅で避難生活を送る主婦の米山康子さん(71)は、住宅の修繕に必要な金の工面が難しいなど経済的な負担への不安を樋口さんに伝え、被災者同士が意見交換できる場も欲しい―と要望した。米山さんは「話を聞いてもらえると少し気が楽になる」と話す。

 自治協は今後、サロンの開設日を増やすことも検討している。樋口さんは「住民に近い立場で、より細かな対応ができるようにしていきたい」と話している。

2015年12月11日掲載