TOP2016年05月「昔のように暮らしたい」 仮設住宅入居中の被災住民
地震で全壊した自宅近くの畑に立つ津滝進一さん=20日、白馬村神城堀之内

 北安曇郡白馬村で建設工事が始まった村営住宅への入居を希望する津滝進一さん(83)は、2014年暮れから村内の応急仮設住宅に身を寄せている。村営住宅は全壊した自宅があった場所の近くにも建設される予定で、津滝さんは「ありがたい。また昔のように暮らしたい」と完成を楽しみにしている。

 妹と暮らしていた同村神城堀之内の自宅は地震で大きく傾いた。なんとか揺れに耐えたものの、その後に積もった雪の重みで倒壊。独立した長男と長女は白馬に住む予定はなく、「お金をかけて同じ場所に自宅を建て直すのは難しい」と言う。

 熊本地震の被災地の過酷な状況を見ると、「自分は命が助かっただけでも良かった」。軽トラックで堀之内の畑に足を運ぶのが日課で、20日もタヌキの侵入を防ぐ柵作りに精を出した。「元気で健康に暮らせる」日常にありがたみを感じているという。

 仮設住宅で暮らす柏原明美さん(83)も、村営住宅の着工の知らせに「いよいよ始まりましたか。完成が待ち遠しい」と顔をほころばせた。堀之内にあった自宅が全壊し、今は単身世帯向けの1DKの部屋で生活している。「今の暮らしに不便は感じない」と言うが、「村営住宅に移れば広くなる。今より楽になるかもしれない」と期待する。

 堀之内区長の平林幸市さん(60)によると、80世帯のうち20世帯ほどは地震の影響で区外に出たままだ。平林さんは区民を代表して、この日の安全祈願祭と起工式に出席。「一日も早く地元に戻り、安心してもらいたい」と願った。

2016年5月21日掲載