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長野駅東口近く新地点、最高価格 住宅地の公示地価
2017年3月22日(水)

 21日発表の公示地価で、住宅地では新しく地点に加わったJR長野駅東口近くの長野市栗田西番場(北中公民館南)が1平方メートル当たり11万円で県内最高価格となった。県内地点が10万円を超えたのは8年ぶり。最寄りの同市若里1の地点も3位に入り、土地区画整理事業が進む同駅東口周辺の需要の高まりを示した。

 2014年3月までに整備された北中交差点。歩道には灰色やベージュなどの舗装用ブロックがモザイク状に並び、北中区長の倉石栄二さん(69)は「街が開放的で、明るいイメージに変わった」と話す。

 長野冬季五輪を控えた1993年に始まった東口周辺の土地区画整理事業。市は当初、08年度の事業完了を目指したが、根強い反対運動もあり整備は遅れた。事業期間を16年度に遅らせた02年以降、事業は徐々に進み、これまでに住居や商業施設など約1100棟が移転した。現在は18年度以降に58・2ヘクタールに及ぶ整備の完了を目指している。

 同駅東口周辺の幹線道路沿いの住宅地では、5、6年前まで1坪(約3・3平方メートル)当たり40万円台だった実際の取引価格が、現在は同60万円台に上がっているという。地元の不動産会社専務の藤沢正一さんは「駅前の利便性の良さから、開業医などの高所得者が宅地を探している」とする。個人所有の土地が多く手放す人がまだ少ないため「供給に対し、需要が大きく上回っている」状況という。

 分譲マンションの需要もあるといい、東口周辺でマンションを建設する別の不動産会社は「年代を問わず、2、3人の家族に人気。新しく整備された公園や歩道などの街並みが魅力的に見えるのでは」と指摘。15年に全面改装した駅ビルMIDORI長野の存在も後押ししているとみる。

 前年1位だった北佐久郡軽井沢町軽井沢の旧軽井沢別荘地は今回2位。ただ富裕層や法人などの人気は根強く、前年比3%の伸びを示した。15年まで16年間首位を維持した長野市の妻科神社南は前年と同じ8万4700円で、2位から5位に下がった。

 一方、県内商業地で地価が上昇した市町村は今回なく、北陸新幹線(長野経由)沿線の飯山、長野、上田、佐久は前年比2・9~0・2%の下落、軽井沢は昨年と同じだった。県内の鑑定を取りまとめた不動産鑑定士の畔上豊さん(55)は「軽井沢は延伸開通で金沢からの観光客も増え、横ばいを維持できた」と説明。上田市、長野市は下げ幅が前年より縮小しており、NHK大河ドラマ「真田丸」のPR効果があったと分析している。

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