信毎 Housing Station
リノベーションを提案 佐久のスタイルテック総合計画
2017年9月16日(土)

 佐久市で昨年創業したスタイルテック総合計画は、中古の賃貸アパート・マンションのリノベーション(再生活用)事業を本格的に始めた。県内で賃貸物件の空室率が高い現状に着目。物件所有者から施工費を受け取る一方、賃貸借契約を結び、10年間は入居者の有無にかかわらず家賃を所有者に支払って損失をなくすことをアピール材料に、年間10件の受注を目指す。

 同社は、1級建築士でもある浅沼和義社長が昨年10月に設立。北佐久郡軽井沢町の建築会社で別荘の設計、施工を担当した後に起業した。「長野県にないサービスを」とビジネス展開を考え、今春、首都圏に比べて県内ではまだ動きが鈍いリノベーション事業に乗り出した。

 リノベーションは、間取りの変更など大規模な工事を行い、住宅の価値を高める手法。同社は築年数が長く、2DKや3DKといった間取りで「今の若い世代のニーズに合っていない」とみる物件に照準を定め、洗練されたデザインで住み心地を向上させた部屋に再生する。

 物件所有者とは10年間の賃貸借契約を結び、周辺地域の相場の95%に当たる家賃を毎月支払う。所有者は、この家賃収入によって2~4年程度で施工費を回収できる仕組み。入居者が決まれば、相場より高めに設定した家賃を同社が受け取り、所有者への支払いとの差額が収入となる。既に長野市内で2件を請け負い、うち施工済みの1件はすぐに入居者が決まった。

 公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会(東京)が2015年度に公表した推計によると、県内の民間賃貸住宅(一戸建てなどを除く共同住宅)は16万8400戸で、空室率は28・8%。全国平均の22・7%を上回り、都道府県別では8番目に高い。

 浅沼社長は「昔の画一的な間取りで、バブル期に急増した集合住宅を中心に需給バランスが崩れている」と指摘。空室に悩む所有者には、地域の年代別人口や住宅事情の分析も提示して相談に乗り、商談から契約締結までは最短30日、工事は数週間で完了させる迅速な対応もアピールする。

 浅沼社長は「県内では空室対策を提案できる企業が圧倒的に不足している」とし、今後は一戸建てのリノベーションも手掛けたいとしている。

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