信毎 Housing Station
中条の空き家を芸術家の拠点に ネットで資金協力募る
2018年2月 8日(木)

 長野市の造形作家ら有志が、同市中条地区の空き家2棟を芸術家が滞在制作できる拠点にしようと準備をしている。芸術家が住民と交わる機会を積極的に持ち、地域の魅力発信にも協力していく予定。インターネットを通じて寄付を募るクラウドファンディング(CF)で空き家の改修資金などの費用を賄おうと、協力を呼び掛けている。

 有志代表の長野市田町の金属造形作家、角居(すみい)康宏さん(49)によると、発端は、友人の市内の画家と始めた工房として使える物件探し。昨年11月に中条の売却用物件を訪ねると、広い古民家と比較的新しい住宅の2棟が隣り合っていた。「2人以外のアーティストも滞在制作できそう。実現すれば面白いのでは」と話し合い、拠点に決めた。

 「中条には日本の原風景がある。ここに暮らす人と交わり、文化を教わりながら、土地に根差した表現を生み出したい」と角居さん。有志はさらに、人口減少と高齢化に悩んでいる、と地元の人に聞いた地区の活性化にも役立ちたいと考えている。角居さんは「奥まった地域だからこその色濃い伝統は魅力。僕たちなりの方法で全国に発信したい。僕たちもわくわくする」と話す。

 空き家は今後改修し、5月に「中条アートロケーション《場(ば)》」の名前でオープン予定。今月初めからCFサイト「Show Boat(ショー・ボート)」で、200万円を目標に寄付を募っている。お返しに、写真家や木工作家など10人ほどに広がった有志の作品を贈る。

 中条地区では長野市も、公募で選んだ芸術家が教員住宅で滞在制作する「中条アーティスト・イン・レジデンス」事業を2016年度から実施。中条地区住民自治協議会の小林久男事務局長(70)は、昨年12月にあいさつに来た角居さんらから構想を聞いたといい、「芸術の村を目指す上で大歓迎。つながりを持っていきたい」と期待している。

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