信毎 Housing Station
住宅の断熱性能、信大生と研究 御代田の建設会社
2018年3月31日(土)

 住宅建築などの大井建設工業(御代田町馬瀬口)が住宅の断熱性能について、信州大大学院総合理工学研究科工学専攻(長野市)と共同で研究を進めている。同社は佐久市内に実験用の住宅を建設中。完成後は信大生が実際に一定期間暮らすなどして約2年間かけてデータを収集し、同社が建設する住宅に反映する方針だ。

 住宅の断熱性や気密性などについてデータを取りたいと考えてきた同社の大井康史社長(53)。業界では断熱や気密性などの性能競争が過熱化しており、居住地によっては断熱材が厚いなど必要以上の機能を備えてしまい、住宅価格が高くなっているのではないか―との疑問を持っていた。

 佐久地域は冬季に氷点下10度を下回ることも珍しくない。データを集めることで、地域の特性に合った適切な性能の住宅建築に生かせると考えている。「住宅の所有者の負担を抑え、適正な価格での提供につなげることができる」と大井社長。出身校でもある信大工学部(長野市)の高木直樹教授に昨年6月に相談し、高木教授がその研究を希望する学生に声を掛けた。

 同大大学院総合理工学研究科で建築学を学ぶ堀部真広さん(23)が手を挙げ、今年1月に共同研究がスタート。現在、実験用の住宅は骨組みができている状態だ。壁の厚さや素材など条件を変えて、住宅の全方向にセンサー約230個を設置。壁や床下だけでなく、地中にも配置し、温度や湿度などを計測する。

 住宅は6月に完成する予定で、学生が実際に生活するなどしてデータを計測する。堀部さんは「こうした実験ができる機会は非常に貴重。現場で手や足を動かすと楽しい」。大井社長は「住宅に興味を持つ学生がいることは、業界の人間としてとてもうれしい。協力して結果を出していきたい」としている。

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