信毎 Housing Station
旧雇用促進住宅リフォーム賃貸 県内1190戸入居募集
2018年6月 8日(金)

 ソフトバンクグループ傘下の米投資会社の関連会社が、県内の旧雇用促進住宅をリフォームし、低価格賃貸住宅として入居者募集を始めた。敷金・礼金が不要で、主な入居者として単身者、高齢者、外国籍住民らを想定。提供可能物件は、雇用促進住宅時代からの継続入居者がいる390戸(5月末時点)を除くと1190戸に上る。県内の賃貸住宅の需給動向に、影響を与える可能性もある。

 入居者募集を始めたのは、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループの関連会社「ビレッジハウス・マネジメント」(東京)。低価格賃貸住宅は「ビレッジハウス」のブランド名で、県内物件は松本、上田、飯田、須坂、千曲市などに計20カ所ある。

 県内物件の家賃は月額2万2千~5万9千円で、敷金・礼金が不要。保証人も原則不要だ。間取りは2Kや2DK、3DKなど。担当者は家賃について「公営住宅よりはやや高いが、一般の民間賃貸と同等か安くなるように意識した」と説明する。

 今年に入って入居募集を開始。北陸新幹線沿線で県内全域へのアクセスが良い上田市を足掛かりに4月以降、営業担当者が各地の主要賃貸仲介業者と契約し、店舗での物件の情報提供を依頼。地元自治体にも情報提供している。現時点で、全県では60件超の入居申し込みがあるという。

 フォートレス・インベストメント・グループの別の関連会社は昨年、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(千葉市)から全国の雇用促進住宅を2回に分けて一括取得。ビレッジハウス・マネジメントが約10万6千戸を順次改修し、入居を募っている。県内の全提供物件約1580戸のうち現在は約25%の入居率を、今後1年間で70%に高めたい考えだ。

 県建築住宅課によると、県内の貸家の新設住宅着工戸数は2016年度、09年度以来7年ぶりに3千戸台に乗り、17年度も3701戸だった。低金利による資産活用や相続税対策として人気が高まっているとみられるが、人口減の中「供給過剰」との見方もあり、千戸を超える新たな物件の供給を懸念する声もある。

 上田市の不動産関係者は「供給が増え、他の物件でも価格を下げる動きが出るかもしれない」と警戒。同市の賃貸仲介業者は「通常、敷金・礼金が不要だと、まとまったお金が用意できない人に歓迎される」と指摘し、外国籍の留学生や労働者、高齢者らの需要が見込めるのではないか―と推測している。

掲載中の記事・写真・イラストの無断転用を禁じます。
© 信濃毎日新聞 The Shinano Mainichi Shimbun