その時信州は

公共施設の耐震化促す 東海地震で初の「対策大綱」


5月30日(金) 掲載


 政府の中央防災会議(会長・小泉純一郎首相)は二十九日、東海地震に備えた初のマスタープランとなる「対策大綱」をまとめた。長野県や東海地方など広範囲に及び、最大で死者一万人と想定される被害を軽減するために、住宅だけでなく公共施設の耐震化を進めることを打ち出し、住民や企業が協力して地域防災力を高めるよう求めている。さらに、警戒宣言発令後も市民生活が混乱しないよう、耐震化された病院や商店は引き続き診療・営業が可能とした。

 大綱は、県内では伊那谷や諏訪地方の二十九市町村が指定されている地震防災対策強化地域と、その周辺市町村も対象。国は今後、大綱に基づいて東海地震防災基本計画などを見直す。

 建物を地震に強い構造にする耐震化の促進では、これまで必要性が強調されてきた住宅に加え、災害時に避難所ともなる学校や公民館、病院、災害対応拠点となる市町村役場庁舎、消防署なども重視。市町村などが個々の建物の耐震性を調査し、その結果を公表するとし、これにより耐震化を促す考えだ。

 阪神淡路大震災の教訓から、災害対応力を強めるには、自らの命を自ら守る「自助」、住民が助け合う「共助」が重要と指摘。住民・企業にボランティア、NPO(民間非営利団体)が連携、日ごろから防災活動を展開するよう求めた。

 一方、国や県、市町村の現行計画では、警戒宣言発令後に具体的な対応を開始することになっている。これに対し、大綱は、判定会招集には至らないが東海地震につながる恐れのある地殻変動が確認された場合に気象庁が発表する「観測情報」の段階から、児童生徒らの帰宅、救援物資の手配準備などを行うとしたのも特徴だ。

 さらに、警戒宣言発令後も市民生活の混乱を避けるため、耐震化された商店の営業継続のほか、強化地域内でも震度5強以下の場所では各社の判断で列車を運行できることにした。また、地震後の広域防災体制は事前に決定。中央防災会議が先にまとめた被害想定を基に、救援に必要な人員や物資、活動内容を「東海地震応急対策活動要領」としてまとめ、地震直後から救援活動を始めることができるようにする。




掲載中の記事・写真・イラストの無断掲載・転用を禁じます。
Copyright 2003 信濃毎日新聞 The Shinano MainichiShimbun