<高めに設定、民間参入促す>
ホームヘルプはいずれも現行制度下における単価(身体介護一時間当たり三千七百三十円)より一割程度引き上げた。同省は「単価アップで民間企業などの参入を促し、サービスの充実を図りたい」としている。
またホームヘルプ、訪問看護は離島や山村地域などで報酬を一五%割り増しし、地理的条件が不利な地域にも事業者が進出しやすくした。
厚生省は、六十五歳以上の保険料について全国平均で二千八百八十五円と試算していたが、今回の仮単価を基にすると約三十円アップ。来年度のサービス総費用は四兆七千億円規模となる見通し。正式な報酬単価は来年一月ごろに厚生大臣告示で決定する。
ホームヘルプの仮単価は身体介護の場合、三十分未満二千百円、三十分以上一時間未満四千二十円、一時間以上一時間半未満五千八百四十円、一時間半以上は三十分増すごとに二千百九十円加算。
ヘルパーの質向上のため研修時間の短い三級ヘルパーは報酬をこれより低めに設定する。早朝、夜間、深夜の報酬加算も現行と同じように行う。
訪問入浴介護は一回一万二千五百円。訪問看護は三十分以上一時間未満だと、医療機関が五千五百円、訪問看護ステーションは八千三百円。いずれもその一割が利用者の自己負担となる。
ただ実際のヘルパーらの賃金はこの単価から経費などが差し引かれるため、地域や所属事業所によって異なる。
介護保険では、介護認定審査会が症状に応じ、要介護度でランク分けする。最も軽度な「要支援」が「浴槽の出入りなどに介助が必要」。これよりも重い「要介護」は五ランクで、要介護1は「衣服着脱に一部介助が必要」、3は「入浴に全面介助が必要」、5は「日常生活全般に全面介助が必要」などとしている。
仮単価を基にすると、保険給付限度額の目安となる平均利用月額は在宅サービスの場合、要支援で六万四千円、要介護3で二十七万四千円、5で三十六万八千円―などとなる。
施設サービスでは、昨年末の厚生省試算で平均利用月額が四十六万千円と最も高かった療養型病床群が三万円減額となり四十三万千円。特別養護老人ホームは三十二万五千円、老人保健施設は三十五万四千円。
物価水準の違いなどに対応して各サービスの仮単価は一部地域でさらに加算がある。
[介護保険]
寝たきりや痴ほうなど介護が必要なお年寄りらに、介護サービスを提供するための社会保険。財源は半分を公費、残りを四十歳以上から徴収する保険料で賄う。このほかサービス費の一割を利用者が自己負担する。今回公表されたサービス報酬の仮単価は、民間事業者にとって収支をはじき出す重要な指標となるだけでなく、利用者にとっても一割負担の目安となる。厚生省の試算では保険料の自治体間格差が最大で四・四倍になる見通しであることから、自民、自由、公明の三党間で財源問題が焦点の一つとなっている。
(1999年8月24日 信濃毎日新聞掲載・共同)