TOP2017年04月故郷の熊本城 松本城に重ね おもてなし隊山口さん、復興願い活動
松本城天守を背に外国人観光客と記念撮影する山口さん(右)=13日

 熊本市出身で、松本市の松本城で時代装束に身を包み、観光客らの写真撮影などに応じる「国宝松本城おもてなし隊」の山口勇司さん(66)が、昨年4月14日の熊本地震で被災した熊本城と故郷の復興に心を寄せている。どちらの城も地域のシンボル。双方に縁のある自分に何ができるか、模索する日々だ。

 山口さんは、大阪市の写真学校を卒業後、松本市の会社に就職。転勤生活を経て、40歳すぎで土産物店に転職、市内に腰を据えた。定年退職後の昨年4月1日、これまでの経験を生かしたいと、おもてなし隊に入隊した。

 「瓦版の八兵衛」役になり、さあこれからという入隊2週間後、熊本地震が起きた。実家は無事だったが、近所の住宅や寺は軒並み倒壊。親戚も被災した。翌朝のニュースで、石垣などが大きく崩れた熊本城の惨状を見た。「うそだろ」。絶句した。

 昨年12月、震災後初めて帰省。熊本城を訪ねると、「熊本城おもてなし武将隊」やボランティアの人々が力強く振る舞っていた。自分も松本城で観光客を迎えていると話した。「松本城にも行きたい」と彼らは言った。

 双方の城の懸け橋になりたい―。松本に戻ってからは、松本城を訪れた女性客に熊本城の冊子を贈ったりした。黒を基調とした姿が似ている松本城と熊本城を重ねて見る九州からの観光客が多く、城の魅力や熊本の被災状況について語り合ってもいる。

 「城は地元の人にとって心の支えだと改めて感じる」と山口さん。熊本の武将隊について松本で発信したり、直接松本に招いたりできないか考えているといい、「熊本と松本が離れていてもつながりを持ち、交流できるようにしていきたい」と話している。

2017年4月14日掲載