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長野市出身の宮彫師・山嵜儀作の彫り物展示

山嵜儀作が手掛けた「福島の大幟」の飾りの虎(右)山嵜儀作が手掛けた「福島の大幟」の飾りの虎(右)
 幕末から明治期に活躍した長野市妻科出身の宮彫師(みやぼりし)、山嵜儀作(やまざきぎさく)(1831~98年)が手掛けたケヤキの彫り物の展示が30日、長野市岡田町のギャラリー82で始まった。須坂市福島町の「福島の大幟(おおのぼり)」(市指定有形文化財)の飾りや武井神社(長野市東町)の四神、長野市西後町の屋台の彫り物計15点が並び、彫り物の下絵や彫刻の道具、山嵜が木彫を手掛けた東北信地方の寺社のパネルもある。9月4日まで。

 宮彫師は神社や仏閣などの欄間や柱といった部分に彫刻を施す職人で、長野周辺でも古くから活動してきた。郷土の名工を再評価し、作品を保存して後世に伝える機運を高めようと、北信地方などの寺社彫刻を調べている宮大工研究家と須坂市福島町区が企画した。

 福島の大幟は2015年10月に22年ぶりに建立されて話題になった。大幟の大きさは長さ22・5メートル、幅4メートルで、市などによると、国内最大級という。今回は、この大幟のさおに飾る彫り物4点を展示した。

 高さ67センチの素戔嗚尊(すさのおのみこと)は、退治した八岐大蛇(やまたのおろち)や、おろちから救った櫛名田比売(くしなだひめ)と共に彫られている。支柱を飾る虎、獅子も並ぶ。福島町区の前区長の小林照夫さん(73)は「山嵜儀作が彫った素晴らしい作品を知ってほしい。区内で大事にし、いかに保存するか関心を高めたい」と話した。

 武井神社の四神は中国の思想に由来する青竜、白虎、朱雀(すざく)、玄武で、親子が寄り添った構図。このほか剣竜も彫った。長野市中心市街地の「ながの祇園祭」(7月)で巡行される西後町の屋台彫刻は、ザクロをついばむ鳥や鶴に乗った仙人が彫られている。

 山嵜家に伝わるかんなやのみといった道具や、鬼女(きじょ)紅葉(もみじ)が描かれた長野市問御所町の屋台彫刻の下絵は、山嵜のひ孫喜弘さん(79)=妻科=が提供。「まだ埋もれている儀作の作品があるはずで、展示をきっかけに見つかってほしい。各地の作品も風化してしまわないよう、保存してもらえたらいい」と話す。

 午前10時~午後4時半(最終日は午後3時)。入場無料。問い合わせは、ギャラリー82(電話026・224・0511)へ。

(8月31日)

長野県のニュース(8月31日)