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子どもの自殺 どう手を差し伸べるか

 青森県の中学生2人が2学期が始まるのと前後して、相次いで命を絶った。いずれも、いじめを訴えるメモを残している。

 子どもの命を守るために何をすべきか。何ができるか。親や学校だけでなく、社会の責任として考えなければならない。

 「生きていけそうにないです」「許してください。もう無理です」…。中2の女子生徒はスマートフォンに書き残していた。

 1年生のときから、無料通信アプリのLINE(ライン)で悪口などの嫌がらせを受けていたという。亡くなったのは先月25日。始業式の翌日だった。

 もう1人の中1の男子生徒が自殺したのは新学期の3日前。「いじめがなければもっと生きていたのに」と書き置きがあった。

 どちらも家族や本人が、嫌がらせを受けていることを学校に相談している。学校側も対応を取ってはいた。それなのに最悪の事態を防げなかった。

 学校には、いじめがあること自体を問題視する風潮がいまだに根強いと指摘されている。それが、いじめと正面から向き合って解決する妨げにもなってきた。今回の2人の場合はどうだったのか。詳しい検証が欠かせない。

 国内の自殺者数が全体としては減ってきた一方で、自殺する中高生は増えている。中学生は2012年から4年連続して増え、昨年は100人を超えた。

 子どもの自殺は新学期が始まる時期が特に目立つ。全国の大半で夏休みが明ける9月1日が最も多く、過去およそ40年で130人余に上る。その前後と4月8、11の各日も90人を上回っている。

 各地のフリースクールやNPOが、子どもの“駆け込み先”を設けたり、電話相談を受けたりする取り組みを始めている。追いつめられた子どもを救うための具体的な行動を、地域のさまざまな場で起こせないか。

 「学校が死ぬほどつらい子は図書館へいらっしゃい。一日いても誰も何も言わないよ」。昨年、鎌倉の図書館がツイッターで呼びかけたことを思い出す。

 死にたいほどの苦しみから逃げるのは恥ずかしいことじゃないし、悪いことでもない。我慢して学校に行こうとしなくていい。何より大事なのは、あなたが生きていることだ―。それを、子どもたちの心に届く言葉で伝えたい。

 子どもを守り育てるのは親や学校だけの役目ではない。生死の淵に立つ子どもに、大人がどう手を差し伸べるのかが問われている。

(9月1日)

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