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御神渡りゆかり 浄瑠璃再現 諏訪の八剣神社宮司ら

八重垣姫や白狐、御神渡り、山並みなどを設営した八剣神社神楽殿=1日午後8時50分ごろ、諏訪市八重垣姫や白狐、御神渡り、山並みなどを設営した八剣神社神楽殿=1日午後8時50分ごろ、諏訪市
 諏訪湖が全面結氷してせり上がる「御神渡(おみわた)り」を認定している諏訪市小和田の八剣神社の宮司、宮坂清さん(65)らが1日、古いマネキンや縫いぐるみを使って御神渡りにゆかりがある浄瑠璃「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)奥庭狐火(きつねび)の段」の一場面を神社神楽殿に再現した。氏子や地元企業が協力。7年目に1度の諏訪大社御柱祭の年に同神社が行う遷座祭で境内などを飾り付ける「御(ご)遷宮の飾り物」として、初めてこの題材で作った。

 飾り物は記録が残る1878(明治11)年以降、断続的に行われてきた。2010年は費用が足りずに断念した経過がある。

 奥庭狐火の段は、武田勝頼に追っ手が迫っていることを伝えようと、勝頼の婚約者で上杉謙信の娘、八重垣姫が凍った諏訪湖上を急ぐ。姫は、神様が通った跡とされる御神渡りがまだできていない湖面を渡るのをためらうが、武田家の重宝「諏訪法性兜(ほっしょうのかぶと)」の力を借りて渡りきる―という粗筋。

 宮坂さんは昨夏から構想し、歴代の氏子代表らに相談。費用が少なくても済むよう、手分けして姫用のマネキンやかつら、着物、縫いぐるみなどを集め加工した。

 諏訪湖から見える守屋山などの背景は宮坂正次さん(66)がベニヤ板に描き、渡辺源一さん(81)は壁紙を使ってかぶとを再現した。せり上がる氷は発泡スチロールで作った。作業に携わった氏子たちは1日夜、完成した飾り物を眺めながら、「何とかなるもんだねえ」と満足そうな笑顔を浮かべていた。

 飾り物は遷座祭がある10月2日まで展示する。

(9月2日)

長野県のニュース(9月2日)