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伊那市の焼き肉店全焼、排気ダクトから出火

焼けた店とは別の焼き肉店。煙を吸い上げるダクトには、火が上がった際に遮断するダンパーも付いている=2日、伊那市焼けた店とは別の焼き肉店。煙を吸い上げるダクトには、火が上がった際に遮断するダンパーも付いている=2日、伊那市
 伊那市山寺で8月26日夜、焼き肉店から出火して2階建ての建物を全焼した火災は、肉を焼くロースターと呼ばれる設備の排気ダクト内に付着した油汚れに火が付いたことが原因だったことが2日、上伊那広域消防本部(伊那市)への取材で分かった。総務省消防庁によると、ロースターが火元の火災は昨年、全国で54件が発生。ダクトは空気が流れ、建物内部に配置されているため、火が広がりやすく、消しにくいという危険性がある。

 上伊那広域消防本部は管内の焼き肉店に、ダクトを小まめに清掃するよう指導する方針だ。

 全焼した焼き肉店は1階にあり、当時、オープン5周年のイベントを開催中で多くの客がいたが、けが人はなかった。火は建物内部に伝わって消火に手間取り、鎮火まで4時間半近くかかった。2階は住宅で、店の担当者は取材に「お客さまや2階に住んでいた方に大変申し訳ない」としている。

 多くの焼き肉店は、肉を焼いた煙をダクトなどを通して屋外に逃がす設備がある。ダクトを床下に張り巡らせて煙を逃がすタイプと、焼き肉の網の上から煙を吸い上げるタイプがある。

 同消防本部によると、今回の火災は、肉などが燃えた火が上部の排気ダクトに吸い込まれ、ダクト内にたまった油に着火した。上伊那地方では3年前から同様の火災が6件あり、ダクト内は勢いよく火が上がりがちという。

 防火には、小まめにダクト内を清掃することが有効とされる。炎を感知して自動で内部をふさぐ「防火ダンパー」も効果的だが、設置は全てのタイプの設備には義務付けられていないという。全焼した焼き肉店の担当者は「3カ月に一度はメンテナンスをしていたが、防ぎきれなかった」という。

 同消防本部予防課の小林哲治課長(55)は「油の多い肉を一気に焼くと火が勢いよく上がり、火事につながりかねない」と話す。指導では、清掃の徹底やダンパー設置に加え、火柱が上がらないような肉の焼き方を客に説明するよう求めていく。

 県危機管理部は「上伊那地方以外でも同様の火災の発生が確認されている」としている。

(9月3日)

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