長野県のニュース

斜面

熊本名物「からしれんこん」は病弱の藩主に滋養のある物を食べてもらおうと工夫したのが始まりという。震災復興を応援する商店街の物産市でファンになった。「買う」という行為は世の中を良くすることにもなる―。強く意識されるようになったのは東日本大震災からだろう

   ◆

三陸の海産物を買えば被災地の漁業再生や雇用創出につながる。ふだんの買い物でも品質の優れた商品やサービスを選べば、より良いものが生まれる誘因になる。今春スタートした電力小売り自由化にも、そんな効果が期待された

   ◆

先行するドイツでは大手のほか、住民がつくった地域会社がたくさんある。風力、太陽光、水力などをうたう再生エネルギー専門も少なくない。放射性廃棄物や二酸化炭素の排出量も比べてクリーンな会社を応援したい―という消費者の選択にも応えている

   ◆

ところがわが国では“意義ある選択”がないがしろにされそうだ。経済産業省は東京電力福島第1原発を含めた原発の廃炉費用を新参企業にも求めることを考えている。代わりに原発で発電した電気を安く新会社に提供するという

   ◆

これではどんな選択も原発支援になってしまう。安全対策、廃炉、核燃料処理まで含めると原発は高くつく。福島事故で「安い電力」神話は崩れたはず。いまさら取り繕って延命させようというのか。意義ある選択権を奪われてはなるまい。

(9月10日)

最近の斜面