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回遊性向上へ周辺整備 県信濃美術館全面改築 基本方針

 老朽化した県信濃美術館(長野市)の再整備構想で、有識者らによる整備検討委員会は12日の会合で、事務局の県文化政策課が示した美術館の全面改築を盛った「整備に関する基本方針」を了承した。検討委が3月、県側に報告した案を一部修正。美術館がある長野市城山公園と善光寺東庭園について、案の段階では「一つの庭園となるよう整備する」と一体的な庭園整備を求めていたのを、「回遊性を高めるために周辺整備を行う」との文言に変更した。

 県は本年度内に、建設費の概算や整備スケジュールなどを盛った「基本構想」をまとめ、正式に県として決定する。

 善光寺との回遊性を巡っては、寺東庭園の東側の高さ約3メートルの土塁を一部削って出入り口を広げ、交差点も改良することで、美術館と善光寺の行き来をしやすくする案が新たに浮上している。

 善光寺関係者によると、東庭園は江戸時代に設けられ、樹木には歴史的な経過があるものが多いという。県は、善光寺や市との水面下の協議で一体的な庭園整備を断念した。

 隣接する東山魁夷館も築25年たっていることから、基本方針では、同館の設備更新や作品を搬入・搬出する大型車両の駐車施設の増築も加わった。これに伴い、同館の延べ床面積の目安は2千平方メートル、新美術館は同1万平方メートル、改変面積は合計1万2千平方メートルとした。

 美術館の指定管理を県文化振興事業団に委託しているが、現在の5年間を延長すること、学芸員態勢を強化することも新たに盛った。

 同美術館は築50年で、美術品の展示に必要な温湿度管理設備の老朽化、展示室が狭いことなどの課題に直面し、県が建て替えを検討。基本方針では、周辺の山並みや善光寺の景観に溶け込む「ランドスケープ(風景画)・ミュージアム」とすることなど四つのコンセプト(基本概念)は案と同じ。

 検討委で、竹内順一委員長(東京芸大名誉教授)は「信濃美術館が善光寺を当てにせず、主役になる日もそう遠くはない。そういう美術館になればいいと願っている」と述べた。

(9月13日)

長野県のニュース(9月13日)