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喜びにわく広島市民を見て初めてリーグ優勝した頃を思い出した。1975年。「昭和枯れすすき」が大ヒットし就職難だった。よほどうれしかったのだろう。お祝いだと広島出身のクラスメートが、みんなに学生食堂のカレーライスを振る舞ってくれた

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25年ぶりとなれば、街じゅう大騒ぎになるのも無理はない。前回は長野五輪が決まった年だ。広島地区のテレビ中継の平均視聴率は60・3%に上ったという。特別肩入れするチームがなくとも、ついつい判官びいきが出てうれしくなる

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被爆から立ち上がるシンボルとなった市民球団である。何度か経営危機に陥っている。当初は選手の給料遅配も珍しくなかった。ナイター設備もない初期の球場の入り口には四斗だるが置かれ、市民が寄付金を投げ入れた。地域と固い絆で結ばれている

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今も台所は厳しい。有力選手を育ててもフリーエージェント(FA)で引き抜かれる。それでも“自前でじっくり”が広島流だ。緒方孝市監督も高校からドラフト3位で入団、一度は条件のいい球団に移るか迷い、残留を選んだという

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古巣は温かく、恩返しの思いを燃えさせた。米大リーグの高給を断って復帰した黒田博樹投手、阪神から戻った新井貴浩選手のベテラン組だ。黒田投手は通算200勝、新井選手は2千安打と今季は話題に事欠かない。Uターンした旧友も歓喜したことだろう。

(9月13日)

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