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「架空工事」県職員認識は 大北森林組合事件公判

 大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件で補助金適正化法違反と詐欺の罪に問われた同組合前専務理事の中村年計(としかず)被告(55)=松本市=と、同法違反の罪に問われた同組合の第7、8回公判が14、15日、長野地裁で開かれる。2007〜13年度の不正受給があった当時、県北安曇地方事務所(同)の林務課に勤務していた課長(退職)と係長ら担当職員計8人の証人尋問が初めて行われる。

 県側は従来、担当職員はいつか工事をすると思い、全くの架空工事との認識はなかったとしている。弁護側は、架空との認識があり、県の積極的関与があったと主張する。担当職員の認識は、事件全体像の根幹にかかわる。

 8人の証人は、組合に対し不正受給のきっかけとなる助言をしたとされる課長と、組合が申請した森林作業道について現地調査をしていないのに確認したとうその記載をした係長や主任、主査ら。

 主査ら3人は虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで書類送検。うち1人は森林作業道の整備で架空申請の恐れがあると気付いて報告したが、上司から申請を認めるよう強要された―などとする顛末(てんまつ)書を作成、県に提出した。別の1人は同容疑と補助金適正化法違反の疑いで書類送検。4人はいずれも起訴猶予となっている。

 14日は課長ら4人が出廷。15日は顛末書を作成した職員やこの職員の当時の上司ら4人の尋問が予定されている。

 中村被告の弁護人は公判の冒頭陳述で、補助金を不正に受給したとして同法違反の罪で起訴された17路線のうち、補助金対象外の町道や国立研究開発法人森林総合研究所(茨城県)が管理する山林内作業道が7路線含まれていたと指摘した。書類上の審査だけでも架空工事と見抜くことができた―と主張している。

 弁護側は供述調書や顛末書、同地方事務所側から年度末の予算消化を組合に依頼したメールなどを基に8人に質問。県職員側が架空申請を容認し、組合と協力関係にあったことを立証し、情状を求める構えだ。

 一方、県側はこれまでの取材に対し、北安曇地方事務所の担当者は町道など対象外の場所で申請がされていたとは知らなかったと説明。顛末書で職員が上司の「強要」と指摘した部分についても「技術的な指導、助言」としている。

(9月13日)

長野県のニュース(9月13日)