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「残土の環境影響、回避・低減」 リニア工事でJR調査結果

 JR東海は13日、リニア中央新幹線建設工事に絡み、トンネル掘削工事で発生した残土を仮置きする下伊那郡大鹿村内にある3カ所の計画地について、周辺環境に与える影響などの調査結果を公表した。大気や水質、景観など7項目について仮置きの影響を検討。各項目とも環境保全措置を取ることで「影響は回避、低減されることを確認した」とした。

 一方、同社は7日の全村民を対象にした工事説明会に続き、村内の自治会別の説明会を13日夜、大河原の村交流センターで始め、約30人が参加した。計4カ所で開く予定。

 残土置き場の調査は、2014年8月の環境影響評価(アセスメント)書の確定後にリニア工事の環境影響を調べる「事後調査」の一環。県内の残土置き場に関する調査結果が公表されたのは初めて。JR東海は南アルプストンネルの長野工区(約8・4キロ)掘削に直結する作業用トンネル坑口(非常口)の準備工事を今秋の中ごろから始める考えを示している。

 本置き場に運ぶまでの期間限定で残土を置く仮置き場が環境に与える影響について同社は、大気汚染や騒音、振動など国や自治体が定めた基準値があるものはいずれも下回ると説明。動植物の生息・成育環境については「変化は生じないか、わずかで影響は一部にとどまる」とした。環境省のレッドリストで絶滅危惧2類に指定されているサナギイチゴなど希少な4種の植物が仮置き場の用地で確認されたため、生息地を回避した仮置きか移植などで対処する。

 同社が7日に大鹿村で開いた南アトンネルに関する工事説明会では、残土処分に関する環境保全措置として、工事規模に合わせた建設機械の使用や工事に伴う改変区域のできる限りの小規模化、盛り土周辺に排水設備を設置することなどで影響を回避、低減させるとしている。

 同村の残土本置き場の候補地は2カ所、仮置き場は6カ所で、容量は計約53万立方メートル。結果が公表されたのは釜沢地区の2カ所と上蔵(わぞ)地区の1カ所のいずれも仮置き場。同社はこの3カ所を、地権者の了解を得るなど、使用できる見通しがついたとして計画地と位置付けた。最大容量は北側から順に約15万立方メートル、約1万5千立方メートル、5万5千立方メートル。北側の計画地は仮置き場として使用後は変電施設を設置する計画だ。

 15日の県環境影響評価技術委員会で調査結果について専門的な見地から審議する。

 JRは調査結果を13日付で県と村に送付。同社のホームページでも見られる。

(9月14日)

長野県のニュース(9月14日)