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補助金の不正 調べ直し真相明らかに

 真相がはっきりしないまま、税金を使った不正の処理が進む。

 大北森林組合の補助金不正受給事件に対する県の対応に納得できない県民が多いのではないか。

 間伐や林道整備などで県から組合が不正に受給したのは15億円近くに上る。このうち国の補助分と加算金など11億1千万円余の返還を国に命令され、県は納付した。

 加算金はいわばペナルティーだ。県が適切な検査をしたのに不正を見抜けなかったとすれば支払う必要はない。だが、国(林野庁)は適切な検査をしていなかったとして、3億5千万円余の支払いを求めた。

 7年間にわたって不正を見逃してきた重いツケだ。県は責任を認め、超過勤務や新規職員採用の抑制といった人件費削減で捻出する方針を示している。

 県の責任はそれだけなのか。まだ解明されていない点が多い。

 有識者による県の検証委員会は、検査態勢の不備や予算消化を目的とした組合への行き過ぎた助言など県側の問題点を指摘してはいる。だが、不正はそれに付け込んで「主体的・能動的に行った組合の責任」と結論づけ、県の主張の柱になっている。

 その後、1通の文書の存在が明らかになり、この主張は揺らいでいる。組合への補助金支給を担った県北安曇地方事務所の担当職員が県に提出した顛末(てんまつ)書だ。架空事業とみられる組合の補助金申請を認めるよう何度も上司に強要されたという趣旨が書かれている。

 顛末書と符号する事実もある。町道などに森林作業道を開設するという、少し調べれば分かるはずの架空申請まで認めていた。

 組合が「主体的、能動的」だっただけでなく、県側も積極的に加担したのではないか。

 県は「全くの架空申請を容認した事実はない」と従来の主張を繰り返している。だが、新たな事実が判明した以上、第三者の検証をやり直し、県民が納得できる説明をすべきだ。

 この問題は県議会でも何度か議論されてはいる。それでも県世論調査協会の調べでは、7割を超す県民が県の調査は不十分と答えている。

 上水内郡飯綱町議会は、地方自治法に基づき調査に強制力を持つ特別委員会(百条委員会)を設けるよう県会に求める要望書を提出する方針だ。「事件をうやむやにされたくない」との声にどう応えるのか。県のチェック役である県会も問われている。

(9月14日)

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