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補助金「通すのが役目」 大北森林組合事件公判で県職員

 大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件で補助金適正化法違反の罪に問われた同組合と、同法違反、詐欺の罪に問われた組合前専務理事の中村年計(としかず)被告(55)=松本市=の第8回公判は15日午後も長野地裁(伊東顕裁判長)で続き、県職員の証人尋問を行った。不正受給があった当時、県北安曇地方事務所に勤務していた2人が出廷。このうち「架空申請を上司から何度も強要された」とする顛末(てんまつ)書を県に提出した当時主査だった男性職員は、組合の補助金申請に不適切な点を見つけて上司に相談した際、「何とか通す理由を考えるのが役目でしょ」などと、不適切な申請を認めるよう求められたと証言した。

 県職員の証人尋問は2日間で計8人行い終了。全員が組合の工事が架空だったとの認識は示さなかった。

 顛末書を提出した職員は、2013年度に組合から補助金の申請がされた大町市の森林作業道が、国立研究開発法人森林総合研究所(茨城県)管理の山林内で既に道が開いており、補助対象外だと気付いたと説明。上司の係長に相談したが、「何とか通す理由を考えるのが役目でしょ、と怒った口調で言われた」と述べた。自身の判断で申請を認めなかったが、別の上司に「予算に穴を開けやがって」と厳しい口調で言われたとした。

 係長も証言し、「申請書を見てああだこうだと言うだけでなく、せっかくやった作業道をこうしてやれば補助金の適用になるよ、と(組合に)指導するのもあなたの仕事という意味だった」と説明した。

 また、男性職員は他の森林作業道2路線について、同様の疑いを抱き、係長に相談。係長に「長年使われなかった道なら(申請は)問題ない」などと言われたと証言した。職員は申請を認めたが、事件発覚後に架空工事と判明した。

 次回公判は10月31日。事件当時の組合担当者4人への証人尋問が行われる。

(9月16日)

長野県のニュース(9月16日)