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平和への思い刻む遺作展 元飯田市職員の斉藤さん

斉藤喜敏さんの遺作展を開いた妻の俊江さん斉藤喜敏さんの遺作展を開いた妻の俊江さん
 飯田市役所職員として働き、2月に84歳で亡くなるまで絵を描き続けた斉藤喜敏(よしはる)さんの遺作展が19日、市美術博物館の市民ギャラリーで始まった。喜敏さんの妻俊江さんや子どもが企画した。喜敏さんは人物を好んで描き、戦後間もない10代後半に家族を描いたデッサン画、反戦の気持ちを強く込めた晩年の油絵など約150点が並ぶ。

 斉藤さんは横浜市に生まれ、戦時中に父の実家がある飯田市下久堅に疎開した。海軍の船乗りだった父は戦死し、戦後は下久堅で母と兄弟4人で暮らした。

 10代の頃のデッサン画は、母が兄弟の髪を刈ったり、障子を張り替えたりと、農村の生活感があふれる素朴な作品。長男の正史さん(46)は「画力が感じられる作品が多い」と話す。

 飯田市役所勤務時代には、駐車場の案内係をしている初老の男性の姿や、男性職員が仕事現場へ出掛ける前の朝のひとときなど、人物を温かく描いている。

 晩年は、戦争の時代を生きた父母の人生に思いを寄せて描いた。俊江さんは「平和が大事だということを絵で表したという気持ちが非常に強かった」と話す。

 21、22、24、25日の午前9時半〜午後4時半、無料。

(9月20日)

長野県のニュース(9月20日)