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「自動運転」へ部品開発加速 県内メーカー新分野に挑む

 先進7カ国(G7)交通相会合(23〜25日、北佐久郡軽井沢町)でテーマとなる自動運転技術に照準を合わせ、県内メーカーが部品の開発に力を入れている。ハンドルやアクセル、ブレーキなどの操作を自動化するには、周囲と自車の状況を把握したり、高い精度で車両の安定性を保ったりするためのセンシング(計測)技術が欠かせない。センサーや電子部品の製造で培った技術を生かし、新分野を切り開こうとしている。

 多摩川精機(飯田市)は、半導体製造技術を使って製造する小型センサー「メムスジャイロ」を使い、自動運転の補完技術の開発を進める。自動運転では、GPS(衛星利用測位システム)やカメラセンサーなどで自車の位置や道路状況を把握する。メムスジャイロは、GPSが届かないトンネル内やビルの谷間で力を発揮。速度や車の向き(角度)から自車の位置を割り出し、GPSがなくても自動運転が継続できるようにする。

 同社は国内外の自動車メーカーなどと共同研究を重ねており、熊谷秀夫常務は「従来技術の精度の向上、今後の準自動運転・完全自動運転に向けた技術開発の両面で急速に研究が進んでいる」と説明。青森県内のメムスジャイロの生産拠点拡充、完全自動運転を見据えた別のセンサー開発にも取り組んでいる。

 長野計器(上田市)は、自社の圧力センサーが自動運転のブレーキや変速機、エアバッグ作動の制御用に需要が増すと期待。「自動運転は安全のため細かい制御が必須で、センサーの搭載は増える」(経営企画部)とみる。上田市の拠点で製造したセンサー素子をドイツの合弁会社に送って製品化。「自動運転に携わるメーカーの要望に応じ、さまざまな圧力センサーを供給している」とする。

 KOA(伊那市)は、自動車のガソリンエンジンから発生するノイズを軽減する特殊な抵抗器(フィルター)の開発を加速させる。自動運転でノイズが電子機器の通信を妨げれば事故の恐れもあるため、ノイズの軽減効果を高める。

 プリント基板設計のアルティメイトテクノロジィズ(長野市)は、事故回避のためのADAS(先進運転支援システム)などで使用する高性能プリント基板のシミュレーションソフトを開発中。内海哲社長は「開発期間短縮につながる需要の高いソフトを開発する」と意気込む。

(9月21日)

長野県のニュース(9月21日)