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政務活動費 透明化進め不正防げ

 「遊ぶ金が欲しかった」「悪いという自覚はなかった」―。

 政務活動費を不正受給した富山市議たちの釈明だ。税金を使っているという意識の欠如にあぜんとするほかない。

 先月から不正受給が次々と明らかになった。きのうは、同僚議員の辞職願を受け取っていた議長までが自らの不正を認め、副議長に辞職願を提出した。辞職議員は9人に上る。定数40の6分の1を超え、補欠選挙をしなければならない異常な事態になった。

 市議だけでなく富山県議も2人が政活費の不正受給で辞職した。

 長野県内の議会も他山の石として自主点検してもらいたい。

 政活費は議員報酬とは別に、調査・研究などの経費として支給される公費だ。富山市議会は1人月額15万円が会派に交付され、会派の人数に応じた加算もある。富山県議会は1人月額30万円だ。

 市議の不正は自民系会派(不正判明8人)が白紙の領収書で架空や水増しの請求をしたケースが多い。民進系会派(同2人)は領収書に数字を書き足し一桁多く請求していた。これまでに判明した不正受給総額は3千万円を超える。

 「号泣会見」の元兵庫県議の政活費詐取事件が明らかになって以降も不正が行われており、自浄作用が働いていなかった。

 政活費の前渡しが不正の温床になっている。本来、余れば会派が返還する決まりだ。ところが「使い切らなければ損」とばかりに、会派の幹部が同僚議員の余剰分を勝手に受け取っていたケースもあった。使った分だけ請求し、その妥当性を精査して支給する後払い方式に改める必要がある。

 政活費は2012年の地方自治法改正で政務調査費から名を変え、調査・研究に「その他の活動」が使途として加わった。当時から「不正が広がる」との批判があったが、チェック機能が不十分な議会が少なくない。

 一部の地方議会は政活費の領収書までホームページで公開している。わざわざ情報公開請求しなくても市民が簡単にチェックできるようになれば、不正の抑止力にもなる。税金を使う以上、使途をガラス張りにするのは当然だ。

 長野県議会では8年前、政務調査費の領収書改ざんなどが発覚した県議が自殺した。県会は毎年6月から政活費(1人月額29万円)の前年度の収支報告や領収書の写しなどを閲覧できるようにしているが、ホームページには領収書が掲載されない。富山を教訓に透明化をさらに進めたい。

(9月21日)

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