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もんじゅ廃炉 核燃サイクルも撤退を

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)が廃炉を前提に見直されることになった。政府がきのう開いた関係閣僚会議で確認した。

 発電で使う以上の燃料が得られるとされる高速炉は、エネルギーを自給自足できる「夢の原子炉」と誇張されてきた。日本が国策としてきた核燃料サイクル政策の中核施設である。

 1兆円以上の国費を投入したのにトラブルが続き、1994年以降、250日しか運転実績がない。再稼働には18年間で少なくとも約5800億円かかるとされる。廃炉は当然だ。

 政府は核燃サイクルや高速炉の研究開発を維持する方針を変えていない。もんじゅの前段階で開発された実験炉「常陽」(茨城県大洗町)の活用や、フランスが建設予定の新型高速炉での共同研究案が浮上している。新たな研究開発の方向性を協議する官民会議も設置するという。

 政府方針には問題が多い。

 もんじゅでは、廃炉費用を含め計1兆3千億円の国費が無駄になる。新たな方向性を考える前に、もんじゅ計画が失敗した原因を究明し、責任の所在も明確にして、国民に説明する必要がある。

 1世代前の常陽で十分な研究ができるのかも疑問だ。フランスとの共同研究も成果がどの程度期待できるか分からない。さらに国費を投入して研究することに国民の理解が得られるのか。今月から始まる臨時国会で、与野党は政府を厳しくたださなくてはならない。

 核燃サイクルのもう一つの柱、プルサーマル発電も見直すべきだ。高速炉で使うはずだった混合酸化物(MOX)燃料を、一般原発で使用する。一般原発の使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、加工した燃料である。

 問題は、使用済みMOX燃料の処理方法が決まっていないことだ。青森県六ケ所村に建設中の再処理工場でも扱えない。現状では原発内の使用済み燃料プールで保管し続けるしかなく、新たな「核のごみ」を生み出す。

 使い道がほとんどないまま使用済み核燃料の再処理を続けた結果、日本が保有するプルトニウムは核爆弾6千発分とされる48トンに及んでいる。安全保障上の国際的な懸念も高まっている。

 核燃サイクルの破綻は明らかだ。速やかに使用済み核燃料の再処理事業を取りやめ、プルトニウムを含めて直接処分する方法を本格的に検討することを求める。

(9月22日)

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