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架空納品書で251万円支出 県観光機構、誘客事業の物品

「不当」な会計処理の後、半年遅れで納品された紙袋=7日、県庁内の県観光機構「不当」な会計処理の後、半年遅れで納品された紙袋=7日、県庁内の県観光機構
 信州・県観光協会(7月に県観光機構に改組)が2013年度、県から請け負った観光誘客事業「楽園信州ファンクラブ」の物品納入を巡り、実際には納品されていない物品が納入されたように装う架空の納品書や請求書が作成されていたことが7日、分かった。問題の支出は総額251万円余で、物品の一部は現在も納品されていない。財源には、国の交付金が充てられており、会計検査院は同日公表した15年度の決算検査報告で「不当」と指摘した。今後、国側から返還を求められる可能性がある。

 物品納入は、県が同協会に派遣した県職員が担当した。同機構は、支払い済みの代金について「流用や横領の事実は確認していない」と説明。他に同様の取引は把握していないとしている。県人事課は処分の必要性を含めて検討する。

 不当の指摘を受けたのは13年度の事業。同機構などによると、同協会は14年2月26日、松本市の民間業者「ナガタビ」に、同クラブののぼり旗(1500本)と会員募集のチラシ(10万枚)、会員登録者への記念品のマグネットシート(6千個)、同クラブ関係の案内文書(1万枚)、同クラブ事務局用の封筒(3万部)、紙袋(2千枚)の6品目を251万円余で作成するよう発注した。

 ナガタビは同年4月、6品目を納入していないのに納品書と請求書を作成し、同協会に提出。同協会の担当職員は納品書と請求書に対し、6品目を受け取ったことを示す「検収印」を押し、4月30日にナガタビに代金を支払った。

 同機構の調査に対し、担当職員は「(5月の)出納閉鎖までに納入されれば問題ないと考えた」と話しているという。ただ、同年5月までに納品されたのは封筒だけで、紙袋の納品は同年9月、残る4品目は現在も納入されていない。同機構は、代金は現在もナガタビ側にあると説明。その後も納品が行われなかったことについて両者とも「失念していた」としている。

 架空の納品書や請求書が作成されたことについて、ナガタビの中山明芳社長は取材に、「協会職員に指示され作成した」と説明。県観光機構の原一樹常務理事は「協会職員が指示したかどうかは、聞き取り調査では分からなかった」としている。

 県は、国から交付金の返還命令が出た段階で、同機構に251万円余に、誤って計上した人件費を合わせた267万円余の返還を命じる方針。同機構は県からの命令を受け、ナガタビに代金の返還を請求するとしている。

(11月8日)

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