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歩いていて背後に迫るハイブリッド車にドキッとすることがある。音のない生活の危うさを感じる一瞬だ。聴導犬は耳の聞こえない人が事故や災害に巻き込まれるのを防ぐ。家でも目覚まし時計が鳴ると起こしてくれるし、赤ちゃんが泣けば導いてくれる

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信毎選賞を受賞した日本聴導犬協会は、20年前から捨て犬を訓練し無料で貸し出している。殺処分されるペットの多さに心を痛めた会長の有馬もとさんと当時伊那保健所長だった小林美智子さんが意気投合。宮田村を拠点に設立された

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利用者への責任の重さや経済的な問題を考えれば大冒険である。「いいことだというだけで2人ともおっちょこちょいだからできた」。きのうの贈呈式で有馬さんが振り返っている。地元小学校に聴導犬クラブができるなど地道な活動は地域に根付いた

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松本クラフト推進協会も「継続は力なり」を示した。松本市で毎年開くフェアは今年で32回。作家の交流の場が全国的な催しに成長した。「好きなことをやっていて貢献できた」と代表の伊藤博敏さん。理想的な地域活性策の姿である

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下諏訪町の安藤美香さんは若手では珍しい水墨画家として嘱望される。中国で長年学び、芸術を真摯(しんし)に学ぶ姿勢に国の違いはないと強く感じた。留学経験が中国との文化交流にも目を向けさせる。伝統絵画に新しい表現をどう加えていくか、これからが楽しみだ。

(11月11日)

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