長野県のニュース

飯田の森林鉄道、念願の復元 遠山郷に周回コース

遠山中学校の生徒を乗せて試運転した機関車遠山中学校の生徒を乗せて試運転した機関車
 飯田市南信濃の住民有志らでつくる「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」が、かつて木材を運んでいた森林鉄道を復元しようと、南信濃木沢の旧貯木場「梨元ていしゃば」の一角でレールを敷設してきた周回コースが12日、完成した。当時の機関車を走らせて地域を活気づけようと2011年から取り組んできた。全長350メートルのコース沿いに標識を4本立て、機関車を試運転して完成を祝った。

 同会の前沢憲道会長(68)=飯田市南信濃=によると、同市南信濃、上村両地区を走った延長30・5キロの遠山森林鉄道は、外材の流入による地場産材の需要減や自動車による搬送の増加で役割が薄れ、1973(昭和48)年に廃線となった。前沢会長は「遠山郷の歴史をたどれる重要な存在」と復元を目指し、県の支援金も使ってコースを整備してきた。

 この日の作業には県内外の鉄道ファンや地元の遠山中学校1年生ら30人余が参加した。レールの下に砂利を敷き、くぎを打ち付けて枕木を固定。生徒らを乗せた機関車が笛を鳴らして走ると「やったー」「最高だ」と歓声が上がった。乗車した同校1年の吉野亜門夢(あとむ)さん(12)は「電車と違ってガタガタと揺れが激しかった。多くの人が協力して動いたのはすごい」。

 飯田営林署に40年余勤め、遠山森林鉄道の保線に携わった経験がある原田広明さん(82)=飯田市南信濃=は「前沢さんから話を聞いた時にはここまでできるとは思わなかった。この日は決して忘れない」と感慨深そうに話した。

 今後も定期的に運行する予定で、来年度は老朽化している機関車を整備する。この場所は「遠山森林公園」と名付け、観光振興に活用する考えだ。

(11月13日)

長野県のニュース(11月13日)