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15年前の約2倍 3940頭 県内ツキノワグマ推定生息数

 県内の2015年度のツキノワグマの推定生息数(平均値)が3940頭に上り、2000年度の約2倍に増えたとみられることが14日、県のまとめで分かった。県は同日の県環境審議会に、来年度から5年間のツキノワグマの第4期保護管理計画の素案を提示。個体数の管理に向け、出没予測が「平常年」と「出没増加年」で年間の捕獲上限を変える二段構えの新方式を導入すると明らかにした。

 県は02年にツキノワグマの第1期保護計画を作り、5年ごとに更新。推定生息数は更新前に調査し、全県の推定生息数は2000年度が1913頭、06年度2771頭、11年度3624頭だった。県は14年にツキノワグマが大量出没して人身被害が相次ぎ、対策を検討する十分な時間が必要として、16年度の予定だった生息状況調査を1年前倒しして15年度に実施した。

 個体群ごとに定めた8地域別では、900頭と最多の北アルプス南部など5地域が11年度から増え、最も少ない120頭の関東山地など3地域は減少した。県鳥獣対策・ジビエ振興室は「年度によって調査方法が異なるのと推定値は幅が広いため単純比較できないが、保護計画の成果が一定程度表れ、緩やかにツキノワグマが増えている」とする。

 県はこれまで年間160頭前後を捕獲上限と定め猟友会などに協力を求めてきたが、12年度は448頭、14年度は710頭と大量出没時は超過することも認めている。新方式では、出没予測が平年並みの「平常年」は捕獲上限を約160頭と設定。ツキノワグマの餌となるドングリの豊凶調査や目撃情報を基に、大量出没が予測される「出没増加年」はより捕獲数が多い上限に切り替える。

 具体的には、県が絶滅の恐れのある地域個体群に指定する八ケ岳は捕獲せず、他地域は過去の捕獲状況などから保護に問題ないとされる推定生息数の6%まで引き上げる。15年度の推定生息数から計算すると、捕獲上限は227頭。「県クマ対策員」の後藤光章さん(42)=長野市=は「大量出没時はなし崩し的に捕獲数が増える。二段構えの上限がどれほど効果を発揮するかは未知数」としている。

 素案は同審議会の意見を参考に修正し、12月8日から1カ月間の意見募集(パブリックコメント)を経て、来年3月に計画をまとめる方針だ。

(11月15日)

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